北の富士さん死去 元千代大海の九重親方「憧れというか、こういう師匠になりたいという目標」 解説ほめられ「うれしかった、恥ずかしかった」
大相撲の元横綱で、解説でも人気を博した北の富士勝昭さんの死去が明らかになってから一夜明けた21日、九州場所開催中の福岡国際センターで、元大関千代大海の九重親方が取材に応じ、故人への思いを語った。
飛び込んできた訃報には「ビックリしたのが本音」とショックを隠せず。2年前、国技館であいさつした際に「今の九重さんの独特な解説はわかりやすい。声もいい」とほめられたことを明かし「北の富士さんから解説がうまいと言われることがうれしかった、恥ずかしかったというのが最後の記憶です」と振り返った。
自身の師匠である先代九重親方(元横綱千代の富士)の師匠だったのが北の富士さん。九重親方は「私が九重になって、改めて部屋を持つ師匠としての功績を見ると、千代の富士さん、横綱北勝海、幕内と、数多くの関取を育てて、僕らの憧れというか、こういう師匠になりたいという目標でもある。功績をあげられた先々代の生きざまが勉強になる」と偉大さを強調。「北の富士さんから『オレから見たら、おまえは孫だから』って言われたこともあった。ほっこりするようなことも、選んで声をかけてくれた」と優しさを思い返した。
九重部屋を継承した師匠として、決意も強くした様子。「改めて北の富士さんの功績をテレビや新聞でみると、自分もこうなりたいし、こうならないといけないという、その存在が夢や希望につながるというか。理想像に一歩でも近づけるように、しっかり九重部屋で三役を出して弔いたい」と誓った。