伊藤美誠 20歳大藤沙月に敗れ涙「周りから『下がった』と思われるのはつらい」日本勢対決で大接戦も初戦敗退
「卓球・WTTファイナル」(21日、北九州市総合体育館)
女子シングルス1回戦が行われ、東京五輪メダリストで世界ランク10位の伊藤美誠(24)=スターツ=は、同8位の大藤沙月(おおどう・さつき、20)=ミキハウス=との日本勢対決に1-3で敗れた。序盤から持ち味を発揮して各ゲームは大接戦となったものの、結果的には初戦で姿を消し、悔し涙を流した。
大藤は急激に力をつけている新鋭で、今年4月に125位だった世界ランクは現在、日本勢3番手の8位まで急上昇中。元2位の伊藤も10月のWTTチャンピオンズ・モンペリエ大会に続いて“2連敗”を喫し、「(大藤の攻撃は)何でも入っちゃうので、そこを何か仕掛けて崩さないといけなかった」と唇をかんだ。
以前に比べて、近年は日本勢対決で敗れることも以前より増えたことを踏まえ、「周りの人たちに『(伊藤の力は)下がったな』って思われるのは、すごく自分の中でつらい」と心情を吐露。「結果だけを見て(日本人の)同士打ちで負けるようになったなと思われるのが悔しい。(実際の)試合を見ている人からすれば『まだ動けているな』と思う方もいるかもしれないが、結果が全てなので、結果で挽回したい。見てない方にも『挽回したな』『動けるようになってきたな』と思ってもらえる選手になっていきたい」と、思いを明かした。
この日は新鋭に敗れたものの、序盤から持ち味の思い切った攻撃や意表を突くプレーで接戦を演じただけに、伊藤は「今日は動けていたと思うので、だからこそ悔しい。出し切ったからこそ、めっちゃ悔しい」と闘志をにじませた。ともに来年の世界選手権(ドーハ)のシングルス代表を既に決めており、「私は世界選手権のメダルを獲ったことがないので、それが今の1番の目標。だからこそ、(大藤も含めた)同士打ちも大事になる。日本人対決の中で勝つことで自信にもなるし、しっかり勝って、もっと上に行けるように頑張りたい」と前を向いた。