波紋広がる八村塁の再苦言も日本協会「ホーバス体制でロス五輪を目指す方針に変更はない」発表 事務総長の「ミスコミュニケーション」説明が「現状発信できるすべて」

 バスケットボール男子日本代表のエースで、米プロNBAレーカーズの八村塁が日本バスケットボール協会、続投が決まったトム・ホーバス監督を批判した問題で、日本協会は25日、「ホーバス体制でロス五輪を目指す方針に変更はない」と発表した。八村の批判については「現状において当協会が発信できる内容については、先般の事務局長がぶら下がりでお話させていただいたことがすべてとなりますので、今の段階で追加のコメント発表、メディア対応等の予定はありません」とした。

 八村は13日の試合後の記者会見で、日本協会の姿勢をビジネス優先とし、日本代表活動の在り方に苦言を呈した。日本協会は20日に渡辺信治専務理事が取材対応し、八村の苦言について「ミスコミュニケーションがあった。重く受け止める」とした上で、ホーバス監督の続投に変更がない方針を示していた。

 八村は日本協会の対応を受けて23日に改めて「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくないし、そういう団体とはやりたくない。日本代表はお金も必要、活動費が必要だと言っているが、その活動費がどこに使われているのかという話。僕からすれば、プレーヤーファースト(選手第一)ではなく、自分たちの利益になることを先にやっている。日本代表のレベルを上げたいという気持ちでやってきた。僕の発言があった後、日本協会の内部の人や、以前に働いた人も含めて僕に連絡してきて『賛成だ。そういうふうにしか見えない』と。やり方がおかしいのは昔から言われていたらしいけど、誰も言っていなかっただけ」と不信感をあらわにした。

 「本当に日本のバスケのためを思って言っている」と強調した上で、ホーバス監督については「練習のやり方、ミーティングも世界レベルではないんじゃないかと思う。日本協会の上の人たちが世界レベルのコーチを選んだという話をしていたが、そもそもその人たちが世界を見たことがない。おかしいのではないか」と手腕や選考過程も疑問視した。

 今の代表については「今までにないぐらいのメンツが集まっている」とし、「僕らの若い世代が出てきたから(昨年の)ワールドカップ(W杯)でも勝てた。新しい監督が来て、その監督のおかげだというのもおかしいと思う」と語った。代表への思いについては「もちろん日本代表ではやりたい」と即答したものの「それは彼ら次第。僕らも代理人を通して、ずっとどうすべきかということを言っているのに、(協会は)フォローしたくない(取り入れたくない)んですね。自分たちのやり方があるんでしょう。僕はずっとそれを我慢してやってきている」と怒りを滲ませ、2028年ロサンゼルス五輪出場については「それは(どうなるか)もう分からない」とした。

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