大相撲 横審が3大関に言及 琴桜「横綱に近い風格と落ち着き」豊昇龍「駆け引き、強引な投げ影を潜めつつ」大の里「やはり若者」
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が25日、都内で開かれ、山内昌之委員長(東大名誉教授)が取材に応じた。
横綱不在の九州場所は琴桜(佐渡ケ嶽)、豊昇龍(立浪)の2大関が場所をけん引し、21年ぶりに大関が千秋楽相星決戦を行うなどの盛り上がりを見せた。
山内委員長は初優勝した琴桜、次点の豊昇龍を絶賛。琴桜ついては「大変素晴らしい相撲を見せてくれた。かつ優勝に対しておごらず、高ぶらず、そして必要以上に過剰なしぐさをすることもなく、将来の最高位の横綱に近い風格と落ち着きを漂わせた。素晴らしい力士に成長しつつある」と話した。
豊昇龍については「場所の初頭に(星を)取りこぼす悪いケースが見られず、立ち会いなどにおいてもまっすぐ向かっていく。従来、時々見られたような立ち会いの駆け引き、強引な投げ技などについても影を潜めつつある」と成長を高評価。「正統的な相撲の型を彼なりに学ぼうとして、やはり将来の横綱を意識した、そして琴桜と競って相撲界をリードしていく気迫と自覚が出てきたのではないか」と語った。
9勝6敗だった新大関大の里(二所ノ関)については「やはり大の里も若者であったということ。どこかに1つの試練にぶち当たったのではないか」と分析。史上最速優勝などの偉業を成し遂げただけに「期待値が高くなるのは致し方ない」と寄り添いつつ、「受け身に回った時に少しバタバタしてしまう傾向が見られた。どんな力士でも受け身もあることがある。受け身に回ったときにどうするかを含めて課題を見つけたと思う」と奮起を促した。