八村塁の苦言問題でJOCもピリピリ…バスケ協会・三屋会長の言及を制止「ダメダメ」ホーバス監督続投支持も八村発言から2週間言及なし

 バスケットボール男子日本代表のエースで米プロNBAレーカーズの八村塁(26)が、28年ロサンゼルス五輪に向けて続投が決まったトム・ホーバス監督と日本バスケットボール協会を批判している問題で、三屋裕子会長(66)が26日、都内で行われた日本オリンピック委員会(JOC)の理事会に会長代行として出席後、報道陣からコメントを求められ「事務総長が…」と答えかけたものの、JOC職員が「(取材は)ダメダメ」と制止した。

 今月5日に行われたホーバス監督の続投会見では、三屋会長も同席し「個人的には、パリ五輪前から(次も)トムでいきたいと考えていた。断られたらどうしようと思っていた」と、続投を支持する考えを明かしていた。

 問題の発端は今月13日。八村がNBAの試合後の記者会見で、日本協会の姿勢をビジネス優先とし、日本代表活動のあり方に苦言を呈した。これを受け、日本協会は20日に渡辺信治事務総長が取材対応し、八村の苦言について「ミスコミュニケーションがあった。重く受け止める」とした上で、ホーバス監督の続投に変更がない方針を示していた。

 八村は日本協会の対応を受け、23日に改めて「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくないし、そういう団体とはやりたくない。日本代表はお金も必要、活動費が必要だと言っているが、その活動費がどこに使われているのかという話。僕からすれば、プレーヤーファースト(選手第一)ではなく、自分たちの利益になることを先にやっている。日本代表のレベルを上げたいという気持ちでやってきた。僕の発言があった後、日本協会の内部の人や、以前に働いた人も含めて僕に連絡してきて『賛成だ。そういうふうにしか見えない』と。やり方がおかしいのは昔から言われていたらしいけど、誰も言っていなかっただけ」と、日本協会への不信感をあらわにした。

 「本当に日本のバスケのためを思って言っている」と強調した上で、ホーバス監督についても「練習のやり方、ミーティングも世界レベルではないんじゃないかと思う。日本協会の上の人たちが世界レベルのコーチを選んだという話をしていたが、そもそもその人たちが世界を見たことがない。おかしいのではないか」と、指揮官の手腕や選任過程も疑問視した。

 八村の再批判を受け、日本協会は25日、「ホーバス体制でロス五輪を目指す方針に変更はない」と発表。八村の批判については「現状において当協会が発信できる内容については、先般の事務総長がぶら下がりでお話させていただいたことがすべてとなりますので、今の段階で追加のコメント発表、メディア対応等の予定はありません」としている。

 この問題に関して約2週間、日本協会としてコメントしたのは渡辺事務総長のみで、三屋会長は公式に言及していない。三屋会長はJOC会長代行も務めているが、この日の理事会後は周囲にもピリピリムードが漂った。

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