吉田祐也 日本歴代3位でV 世陸代表へ名乗り 母校・青学大に拠点移して原点回帰“2分”タイム縮めた

 4年ぶり2度目の優勝を果たした吉田祐也
 日本歴代3位の好タイムで優勝し、涙ぐむ吉田祐也
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 「福岡国際マラソン」(1日、平和台陸上競技場発着)

 吉田祐也(27)=GMOインターネットグループ=が日本歴代3位の2時間5分16秒で制した。来年9月の世界選手権東京大会の代表選考レースを兼ねて行われ、同選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)も突破して初の代表入りに前進した。2022年世界選手権代表の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間6分54秒で2位。世界選手権の男子選考レースは来年3月2日の東京マラソンまで実施。日本新記録を出した選手らが優先して選ばれ、参加標準記録突破者の中からレース条件などを勘案して日本陸連が選出する。

 終盤の失速なく、ゴールテープを切ったのが進化の現れだ。2021年に一度は幕を閉じた前身の大会を20年に制している吉田が、4年ぶりに福岡の地で躍動。当時より2分近く速いタイムで世界選手権代表に名乗りを上げ「4年間目標から遠ざかる自分がいまいましくてならなかった」と感慨に浸った。

 序盤は設定ペースが遅れることもあったが、優勝を見据え「気にせず余裕を持って走れた」という。30キロ手前で西山雄が苦しくなっているのを感じ取ると積極的に前へ。ペースメーカーが外れた30キロ以降も主導権を握り「底上げができているから無意識にペースを上げられた」と手応え十分だった。

 転機は1月。「学生時代に培ったものの延長線上で戦いたい」と、母校青学大に拠点を移して原点回帰を図った。一から見つめ直す教え子に、青学大の原晋監督は「甘えた気持ちで来るならやめた方がいいが、覚悟を持ってやりたいと言ってくれた。一度も弱音を吐かず、高い水準でやってくれた」と目を細めた。

 約2割増しの練習を継続的にこなし、2月の大阪マラソンやトラックレースで次々に自己記録を更新。自信を得てきた27歳は「世界でも必ず戦える力をつけられるように練習を続けたい」とさらなる高みを目指していく。

 ◆吉田祐也(よしだ・ゆうや)1997年4月23日、埼玉県東松山市出身。東農大三高時代に全国高校駅伝への出場経験はなし。青学大に進学し、学生三大駅伝(出雲、全日本、箱根)では、4年時の箱根4区区間新記録以外に、3年時に全日本に初めて出場し5区で区間賞を獲得した。マラソンでの主な成績は20年の別府大分毎日3位、同年の福岡国際優勝、24年の大阪4位など。1万メートルの自己ベストは27分45秒85。164センチ、47キロ。

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