宮田笙子の五輪辞退問題 調査結果公表 当時恩師亡くし精神不安定「原因は個人の意識大きい」 選手で喫煙者「極めて稀」一部過去の男子選手で確認も例外

 日本体操協会は7日、理事会を開催し、パリ五輪直前に飲酒、喫煙問題が発覚し、代表を辞退した宮田笙子(20)=順大=について、第三者機関の調査結果を公表。宮田に対して倫理規定に基づいた処分は行わず、会長による厳重注意とした。また、田中光前本部長、田野辺コーチ、原田コーチ、現場責任者の山本ハイパフォーマンスディレクター、西村賢二専務理事も同様に厳重注意となった。

 調査報告書では7月4日にNTCの自室で喫煙・飲酒を行ったとし、モナコ合宿の到着日だった7月13日に参加していた関係者の発言から帯同コーチの一人が本件選手の喫煙可能性を認識したと記された。宮田の当時の状況について、23年10月に恩師が亡くなったこと、自身を指導していたコーチも重篤な体調不良で倒れたことなどが相次いでおり、精神的に不安定な状況であったことなどが記され、「これらの事情が本事案の遠因となった可能性は否定できない」とされた。

 日本体操協会が飲酒・喫煙に走らせる要因を作出していた可能性については、日本協会や体操部において若年者による喫煙や飲酒が日常的に行われていた事実は確認できなかったとされ、喫煙については競技者がたしなむことは極めて稀であり、関係者の知る限り、特に女子選手の中で喫煙習慣のある競技者はいなかったとした。一部、過去に男子体操選手の中では確認されたものの、極めて例外だったとされ、喫煙・飲酒が許容される雰囲気によって、宮田が喫煙・飲酒に及んだ事情は存在しなかったなどとされた。

 総括として宮田の飲酒、喫煙は「その発生の原因は個人の意識によるところが大きいと言わざるを得ない」とした。

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