柔道 頸椎ヘルニア手術の斉藤立、脊髄損傷の危機だった「少しでも首にインパクトがあったら」脊柱管狭窄症も併発 ロス五輪見据え1年休養へ

 手術後の経過を話す斉藤立
 記者に囲まれ、手術後の経過を話す斉藤立(中央)
取材に応じ、手術やけがの状況について報告する斉藤立
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 柔道男子100キロ超級でパリ五輪代表の斉藤立(22)=JESグループ=が8日、都内で取材に応じた。10月末に頸椎(けいつい)ヘルニアで首の手術を受けたことを公表していたが、脊柱管が狭くなる脊柱管狭窄症も併発していたことを明かし、「少しでも首に(これ以上の)インパクトがあったら脊髄損傷になるような状況だった」と告白。術後の回復は順調で、練習再開までは半年を見込み、来秋の講道館杯での実戦復帰を目指すといい、「(今は)柔道をしたい気持ちを抑えて、焦らずに徐々にやっていく。この際ゼロになったので(自分の)弱いところをしっかり鍛え直して、これから4年間戦うための土台をつくっていきたい」と語った。

 192センチ、160キロ超の恵まれた肉体を持つ斉藤だが、今夏のパリ五輪を控えていた3月頃から右手に違和感を覚え、しびれる感覚もあったという。さらに、5月以降は右腕に力が入らなくなったり、激しい痛みに襲われることもあった。五輪を終えて練習を再開した際、以前よりも症状が悪化していたといい「これはヤバいな」と、病院でMRI検査を受けたところ、頸椎ヘルニアだけでなく脊柱管狭窄症も併発していたことが判明した。

 「思ったより酷かった。少しでも首に(さらなる)インパクトがあったら脊髄損傷になるような状況だった。あと骨が変形していたり、ヘルニアも通常よりも2センチくらいデカかった」と危機的状況だったといい、「手術するしかないと言われて、すごく悩んだが、(医師からは)ラグビー選手なら手術しないと引退しかない(くらいの症状)と言われた」と、手術に踏み切った経緯を明かした。現在は東京都北区の国立スポーツ科学センター(JISS)でリハビリに励んでいるという。

 今夏のパリ五輪では、個人戦で5位。混合団体戦でも決勝のフランス戦で王者テディ・リネールに本戦と代表戦で2敗するなど、1大会で5敗を喫する悔しい結果となった。「思い返したらマイナスな気持ちもすごくある」。28年ロス五輪に向けては「この4年間、(父で五輪王者の故・斉藤仁さんとの)親子どうこうじゃなく、自分との戦い。こんなところで負けたままじゃいられない。五輪で負けた時がずっと(頭に)焼き付いている。これを振り払えるのは4年後の同じ舞台でしかできない。このままじゃ終われない」と再起を誓った。

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