大相撲の冬巡業が１２日、兵庫県宝塚市で行われ、両膝痛などにより２場所連続全休中の横綱照ノ富士（伊勢ケ浜）が朝稽古で大関大の里と８番続けて取って４勝４敗だった。土俵上で相撲を取るのは、１０度目の優勝を遂げた７月の名古屋場所千秋楽以来。初場所（来年１月１２日初日・両国国技館）に向け「毎日できることをやっていく」と意欲を示した。

　左上手を引けば圧倒した一方、バランスを崩して尻もちをつく場面もあった。同じ右四つでぶつかりやすいことから指名したとし「まだ硬いし、動けない感じ」と話す。持病の糖尿病は食事制限で回復傾向にあるという。力士数減少への危惧から、来年は土俵の建設など普及活動にも尽力していくと明かした。

　大の里は突然の申し出に驚いた様子。新大関の九州場所は９勝６敗に終わり「反省を生かして初場所は頑張りたい」と雪辱を期した。