バドミントン シダマツ年間女王ならず 志田涙「濃い1年。感謝の詰まった1年」 160回壮絶ラリーも韓国ペアに完敗

 「バドミントン・BWFワールドツアーファイナルズ」(15日、中国・杭州)

 女子ダブルス決勝が行われた。パリ五輪銅メダルの志田千陽、松山奈未組(再春館製薬所)が、世界ランキング2位のペク・ハナ、イ・ソヒ組(韓国)に0-2(19-21、14-21)で敗れた。

 壮絶な打ち合いだった。93回ラリーが続けば、次は116回、その次は117回と羽根を打つ音が途切れることなく場内に響く。大熱戦に歓声は大きくなっていった。第2セットの中盤には、この日最多となる驚異の160回のラリーを記録。両ペアが一歩も譲らない一進一退の攻防が続いた。

 シダマツは第1セットからコートを広く使い、過去2勝9敗の難敵・韓国ペアと互角の勝負を繰り広げた。松山の後衛から放つキレあるショットで相手を崩し、志田が前衛に飛び出して得点。大舞台で2人のコンビネーションが光った。

 ただ最後は、無尽蔵のスタミナから放つ強打と鉄壁のレシーブを見せた韓国ペアに屈し、敗戦。シダマツは、今大会準決勝でパリ五輪金メダルの陳清晨・賈一凡ペア(中国)を破る快進撃を見せていたが、初の年間女王に届かなかった。

 志田は「悔しい気持ちもあるけど、今できることを出した結果が準優勝。受け入れている」と振り返り、松山は「決勝までこれて、やり切った気持ちが大きい」と話した。

 今大会で2024年の国際大会が終了。五輪レース、パリ五輪、ワールドツアーと多くの試合を戦い抜いた。志田は1年を総括し、涙。「苦しいこともあったけど、最後まで楽しめたのは家族、パートナー、コーチが声をかけてくれたから。濃い1年だった。感謝の詰まった1年」と目を赤くさせ、松山は「最後の試合で決勝に行けたのは、ほめてあげられる」と語った。

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