阿武咲 涙の引退「やり切ったなという気持ち」 今後はスキンケア用品を扱う企業に就職予定
18日に現役を引退した大相撲の元小結阿武咲(28)=阿武松=が19日、東京・両国国技館で引退会見を開いた。12年間の力士生活を終え「やり切ったなという気持ちでいっぱい」と心境を語った。最近は膝や足首、腰、肩のケガを抱えて満身創痍(そうい)。日常生活でも、夫人の助けを借りなければ普通に歩行などができなかったといい「正直、もう相撲をとれる体ではなくなりました」と引退理由を説明した。
思い出の一番は昨年初場所13日目の大関貴景勝戦。同学年で少年時代からのライバルとの優勝争い直接対決を挙げた。9月に引退した元貴景勝の湊川親方には電話で報告。「同じ時代に生きられてよかった」と感謝を伝えると「オレら頑張ったよな」と言葉が返ってきたといい、やりとりを振り返ると、言葉を詰まらせて涙を拭った。
今後は相撲協会には残らず、自身も愛用してきたスキンケア用品を扱う企業に来年4月に就職する予定。「今までたくさんの方々が支えてくださった。今度は自分が誰かのお力になれれば」と、第二の人生への意欲を語った。断髪式は来年6月1日に両国国技館で開催される。
◆阿武咲奎也(おうのしょう・ふみや、本名打越奎也)1996年7月4日生まれ。青森県中泊町出身。三本木農高を2年時に中退し、2013年初場所で初土俵。15年初場所で新十両。17年夏場所で新入幕。同年九州場所で新小結。幕内を42場所務め、殊勲賞1回、敢闘賞3回、金星2個。通算成績は473勝422敗59休、幕内成績は297勝287敗46休。得意は突き・押し。176センチ、165キロ。