11年ぶり出場でも“織田ワールド”全開 子供の話題で涙「初めて「試合頑張ってな』と言われた」
来年3月の世界選手権(米ボストン)の代表選考会を兼ねた全日本選手権が20日に開幕する。19日は試合会場(東和薬品ラクタブドーム)で公式練習が行われ、男子は11年ぶりに出場する織田信成(37)=大阪スケート倶楽部、初優勝を狙う鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が氷の感触を確かめた。
開幕前日から“織田ワールド”が全開だった。11年ぶりに全日本のリンクに立つ37歳は、子供の話になると思わず涙があふれた。「ちょっと待って、何で泣いてるの~。ここで泣くつもりじゃなかった。ちょっと嫌や」と、苦笑いで自身に突っ込みまくった。
2022年秋、9年ぶりに電撃競技復帰。今年9月には今季限りで現役を退く意向を表明しており、全日本選手権は地元・大阪で開催される今大会が最後の出場となる。「上の2人(の子供)は僕がスケートをしているのをほとんど見たことがないと思う。今日自宅から出る時に、初めて『試合頑張ってな』と言われた」と涙ながらに明かし、「家族も応援してくれる」と大きな力を得て臨む。
練習ではショートプログラム(SP)の「マツケンサンバ」の曲かけで、4回転-3回転の連続トーループを着氷するなど上々の様子。08年の王者は「37歳まで、こんなに粘ってジャンプを跳んでいる人がおるんやと(見てほしい)。笑顔で終わりたい」と渾身(こんしん)のラストダンスを誓った。