来年３月の世界選手権（米ボストン）の代表選考会を兼ねた全日本選手権が２０日に開幕する。１９日は試合会場（東和薬品ラクタブドーム）で公式練習が行われ、２大会連続女子３位で世界ジュニア選手権２連覇中の島田麻央（１６）＝木下グループ＝が初優勝に向け、大技２種を降りた。４連覇を狙う世界選手権３連覇中の坂本花織（シスメックス）らも調整。男子は１１年ぶりに出場する織田信成（３７）＝大阪スケート倶楽部、初優勝を狙う鍵山優真（オリエンタルバイオ・中京大）が氷の感触を確かめた。

　島田はシニア選手の中に交じっても、落ち着いた様子で氷の感触を確かめた。曲かけ練習では大技のトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）を着氷。「まずまずかな」と合格点を出し、「成功させるにはもうちょっと、感触のいいものにしたい。アクセルは明日の朝に感触を確かめて、いい感触でＳＰへ行けるようにしたい」と意欲的に語った。ジュニアの規定ではＳＰに組み込むことのできないトリプルアクセルも、今回は挑戦できる。フリーで構成予定の４回転トーループも、何とか耐えて降りた。

　今月初めにフランス・グルノーブルで行われたジュニアＧＰファイナルは史上初の３連覇。しかし自身の中では課題を残し「トリプルアクセルも練習したし、トリプルループは失敗があったので、いろんな入り方で練習して修正した」と２週間で調整してきた。

　２２、２３年に続き３度目の全日本で初優勝の期待もかかるが、優勝しても来年３月の世界選手権（米・ボストン）には年齢制限により出場できない。「順位とかは狙わず、ジュニアらしく元気はつらつと、楽しそうに滑って、自分らしい演技ができればいいかな」とフレッシュなスケーティングを誓った。