坂本花織 4連覇へ首位発進「今日は爆速でした」復調をアピール フリーへ「自分も楽しめるように」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(20日、東和薬品ラクタブドーム)
世界選手権(来年3月・米ボストン)代表最終選考会を兼ねて開幕し、男子SPは今季限りで引退する37歳の織田信成(大阪スケート倶楽部)が5位につけた。初優勝を目指す鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が92・05点で首位。16歳でジュニアの中田璃士(TOKIOインカラミ)が90・31点の2位で続いた。女子SPは、女子で史上9人目の4連覇が懸かる坂本花織(24)=シスメックス=が78・92点で首位。16歳の島田麻央(木下グループ)は75・58点で2位につけた。
世界女王は大一番で強い。赤の衣装に身を包んだ坂本はタンゴ曲を情熱的に舞い、4連覇へ好発進した。3回転ルッツなど、ジャンプは全て着氷。今季自己最高にわずか0・01点に迫り「大きなミスなくできてホッとしている。自己ベストに近づいているのはうれしい」とうなずいた。
直近のGPファイナルで3位になった後、10日に胃腸炎になり「完全にダウンして、ゼロからのスタート」だった。11日夜から再開した練習ではスピードが出ず「(周りの)人の顔がはっきり見えるぐらい遅かった」という。ただ、1週間で急ピッチで調子を立て直した。「今日は爆速でした」と復調をアピールした。
演技直前には、国際大会から遠ざかっていたロシアとベラルーシの2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の予選参加が認められた。強豪ロシア勢が最大1枠復活する可能性に「えーっ!」と驚きつつも「めちゃくちゃ燃えます」と前向きに意気込んだ。
フリーへは「見ているみなさんも自分も楽しめるように滑りたい」と意気込んだ。まずは目の前の4連覇へ、集中する。