ちゃめっ気たっぷり 鍵山優真が見せた21歳らしい姿

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、東和薬品ラクタブドーム)

 男子は21歳の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)がSPに続いてフリーも1位の合計297・73点で初優勝した。1993年に3連覇した正和コーチとの父子制覇で、昨季2位の世界選手権(来年3月・米ボストン)代表に決まった。

  ◇  ◇

 21歳らしい姿を見た日がある。10日のGPファイナル帰国後、取材の順番待ちをしていた鍵山は、気がつけば報道陣の脚立に登っていた。記者からカメラを手渡されると、しっかりと握って決めポーズ。中田璃士が取材に応じる様子を脚立の上から眺め、ちゃめっ気たっぷりに笑っていた。

 最後に囲み取材に来た鍵山に、思わず聞いた。「脚立から見る囲み取材はどうでしたか?」。ちょっぴり照れながら「面白かったです。こんなに人に囲まれて」とにんまりした。「(自分が)やっている時はそんなに圧迫感ないんですけど、外から見るとこんなにきゅっとなってるんだって」。普段は見ることのない景色を、胸に刻んでいたように見えた。

 優勝後は「これからは全日本王者として注目される。恥じぬようにしたい」と宣言。大勢の報道陣に押しつぶされながら、新王者としての覚悟を固めた瞬間を見守った。(デイリースポーツ・田中亜実)

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