留学生最短区間制限でどうなった?初年度は男女とも日本選手のみのチームが戴冠 影響力は縮小「負担が減った」「新たな駅伝の始まり」
「全国高校駅伝」(22日、たけびしスタジアム京都発着、女子=5区間、男子=7区間)
女子は長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目の優勝を飾った。男子は佐久長聖が2時間1分33秒で2年連続4度目の優勝を飾った。今大会から外国人留学生の起用は最短区間(3キロ)のみに制限された中で行われたが、初年度は男女とも日本人選手のみで構成されたチームが頂点に立った。
都大路に留学生が登場して以降、その圧倒的な速さが勢力図を一変させる形となり、様々なルール変更が行われてきた。08年からは最長区間での起用が禁止されたが、昨年の女子のアンカーで大逆転劇が起きたように未だ影響力は強く、昨年、留学生は最短区間のみに制限するルール変更が決定されていた。
今大会で女子は8校が3区(3キロ)に留学生を起用し、区間上位8位を独占。男子は2区に5校、5区3校が起用し、2区は上位2人が区間新記録をマークし、区間上位3位までを占めた。5区は区間3位が最高だった。留学生起用の高校では女子は3区にデイシー・ジェロップ(3年)を起用した仙台育英の2位が最高で、入賞8チームのうち2校。男子は2区にエリウッド・カヒガ(3年)を起用した仙台育英の3位が最高で、8位入賞チームは仙台育英のみだった。留学生の変わらぬ力は発揮されたが、レース全体への影響力は縮小されたとみられる。
留学生起用で女子で2位だった仙台育英の釜石監督は「ルール変更の影響は感じていない。長野東さんが完璧なレース、ミスのない駅伝をした。うちはミスをした。改めて今年から新たな駅伝の始まりなんだと感じた」と、語った。
日本選手のみで連覇を達成した佐久長聖の高見沢監督は「(2区で留学生の)区間新記録は出たと思うが、今までと比べたら、我々にとっては負担が減った。レース全体に対する影響力は少なくなった」と明かした上で「でも留学生を意識した上で選手の状態作りやチーム作りで新たに取り組んだ部分でもある。これから走り方や戦略が変わってくる中で色々と変化はあると思う」と、見据えた。