坂本花織 貫禄の全日本4連覇 世界選手権代表決めた!4連覇懸かる世界選手権へ「攻めの姿勢で自分らしく滑れたら」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、東和薬品ラクタブドーム)
女子は24歳の坂本花織(シスメックス)が合計228・68点で4年連続5度目の優勝を果たした。4連覇は14~17年を制した宮原知子以来、史上9人目。SPに続いてフリーも1位で、4連覇が懸かる世界選手権(来年3月・米ボストン)代表に決まった。ジュニアで16歳の島田麻央(木下グループ)がSP、フリーとも2位の219・00点で自己最高の2位に入り、樋口新葉(ノエビア)が3位。GPファイナル2位の千葉百音(木下アカデミー)は4位だった。ペアは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が5年ぶり2度目の頂点。2位の長岡柚奈、森口澄士組(木下アカデミー)とともに世界選手権代表に選出された。
守り切った。色気たっぷりにしゃがみ込んだ坂本は、じっと空気をかみしめた後に氷をコンとたたいた。「うれしい気持ちと悔しい気持ちとホッとした気持ち。いろんな感情」。金髪をなびかせた世界女王は、4度目となる全日本の表彰台の頂点に立った。
直前の演技で、16歳の島田がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めて暫定1位。他の選手の点数は見ていなかったが、4連覇がかかる大一番に「緊張は、かなりした」。ただ、世界女王は経験値が違う。最初のダブルアクセルで軸がずれても耐えた。後半の「得点源」ことフリップ-トーループの連続3回転ジャンプのフリップでぐらついたが、何とか2回転をつけてこらえた。
息つく間もないハードなフリー曲「シカゴ」では、悪女として不敵な笑みを浮かべるのがこだわり。表情の理想に近いのが、まさかの“関西ノリ”だった。「『ニヤッ』みたいな笑い方でジャッジをおびき寄せる」。意外な方法で生み出した妖艶な雰囲気は、全体トップの圧倒的な演技構成点となり優勝を支えた。
今年の漢字は「積」。「いろんな経験をさらに積めたシーズン。次はこうしたら、という積み重ねがいっぱいできた」と振り返った。全日本で積まれた宿題は、ミスが出た連続3回転の2本目を2回転にして「若干守りに入った」ことだ。
世界選手権では1956~60年に5連覇したキャロル・ヘイス以来の4連覇を狙う。「攻めの姿勢で自分らしく滑れたら」。五輪枠獲得がかかる大一番で、本領発揮してみせる。
◆坂本 花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でスケートを始めた。神戸野田高を経て、神戸学院大経営学部を卒業。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。シニアデビューの17年に全日本選手権で2位に入り、18年平昌五輪で6位に入賞した。18年四大陸選手権を制し、全日本選手権は18年に初優勝し、21年から4連覇中。22年北京五輪の個人で銅メダル、団体銀メダル。23年GPファイナルで金メダルを獲得した。世界選手権は22年から3連覇中。159センチ。