元大関小錦の腎移植決断を担当医も称賛「安心して手術を受けられるメッセージになる」
大相撲の元大関小錦でタレントのKONISHIKI(60)が腎臓疾患により妻・千絵さんから腎臓提供を受け、移植手術をしていたことが23日、明らかになった。手術は成功し、同日、鎌倉市の湘南鎌倉総合病院を退院した。
KONISHIKIは8年ほど前から腎機能の低下が始まった。今年6月にはさらなる機能の低下の影響が著しく現れ、「腎臓の調子を見たら今年の6月くらいは本当にびっくりするぐらい厳しかった。だんだん自分も食欲がなくなったり味がしなくなって、大好きな米もたべなくなった」と振り返った。
会見に同席した腎臓病総合医療センター腎移植外科部長の大久保恵太氏によれば「確定的なことは言えないけど、今回は長期の肥満からくる肥満性腎症という診断をつけて、腎機能はかなり悪い状況でしたので、この状況では透析か移植が必要ですよという状況でした。診断としては慢性腎症です」と説明。KONISHIKIは仕事の都合上、国外にいることが多く「僕は透析は絶対にしない」と腎機能は低下しても、透析は治療の選択肢に入らなかった。
ただ、千絵夫人の後押しもあり、今回は移植手術を決断。2017年に末期腎不全の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)の腎臓移植手術を担当し、今回の手術も担当した湘南鎌倉総合病院の院長補佐を務める田辺一成氏は「(インパクトは)とても大きい。小錦さん主催でこういう会見を開いていただいて、移植という方法があるということを知っていただける機会になるんじゃないかと思う。僕ら医療者としては患者さんに良い情報提供の一環になると思う」と称賛。体格の大きな人間の手術は難しいと思われがちだが、「元お相撲さんだったり、格闘技の人は非常に体格も大きい。でも安心して(手術を)受けられるということが一つの大きなメッセージになる」とKONISHIKIの手術成功の意義を語った。