岡山・倉敷 逆転1勝!秀才ウイング宮崎が2Tの躍動 名門・灘中出身で京大理学部志望 活躍も自己採点は「60点」

 「全国高校ラグビー・1回戦、倉敷29-12九州学院」(28日、花園ラグビー場)

 10試合が行われ、4大会連続4度目出場の倉敷(岡山)、近大和歌山、尾道(広島)などが勝利して2回戦に進出した。前回初戦敗退の倉敷は、九州学院(熊本)に一時逆転を許したものの、後半に再逆転して29-12で勝利。4大会連続6度目出場の近大和歌山は29-7で坂出第一(香川)を下し、花園初勝利を飾った。尾道は名護(沖縄)に57-0の完勝。30日の2回戦からは前回優勝の桐蔭学園(神奈川)などシード13校が登場する。

 秀才ウイングが逆転を含む2トライだ。京大理学部を志望する倉敷のWTB宮崎凜(3年)が、チームを初戦突破へけん引。「ディフェンスもアタックも甘いところがあった。60点」。厳しめの自己採点が、より利発さを際立たせた。

 相手の隙を突いた。8-12の後半6分、左中間のラックから右へ展開し、最後に宮崎が決勝トライ。「相手スペースを見つけて走り込んで抜くプレーが自分の強み」。22分も再び宮崎が相手ディフェンスをかいくぐり、トライを決めて突き放した。

 文武両道を地でいく。全国屈指の進学校で知られる神戸市の灘中出身。高校進学時、同級生の多くが灘高を選ぶ中で宮崎は倉敷を選んだ。理由は「文武両道(の精神を)を大切にしてくれる」。勉学とラグビーの両立こそに価値を見いだす。

 普段の起床は午前3時。それから勉強に臨み、練習や授業を受け、午後9時に就寝する日々だ。今大会も参考書を持参。前日も宿舎で約4時間の受験勉強にいそしんだ。

 将来の目標はアレルギー治療薬の開発。動機は、宮崎自身が甲殻類などのアレルギー持ちであることから。「世の中には好きな物を食べられない人がいる。そういう人のためにも」。千葉大国際教養学部を志望するSH若狭正和(3年)らの存在も励み。高い志を持つ秀才ウイングが、仲間とともに花園を駆ける。

 ◆宮崎 凜(みやざき・りん)2006年5月2日、大阪府出身。5歳の時にラグビーを始め「阿倍野ラグビースクール」でプレー。神戸市の灘中出身で、ラグビーと勉強の両立を求めて倉敷への進学を決断した。ポジションは右WTB。174センチ、76キロ。

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