宮崎友花 平成以降4人目高校生日本一 奥原、山口らが通ってきた〝出世街道〟 夢は「五輪で金」
「バドミントン・全日本総合選手権」(30日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
各種目の決勝が行われた。女子シングルスでは18歳の宮崎友花(山口・柳井商工高)が、8歳上の仁平菜月(ヨネックス)を2-0で下し、初優勝。平成以降では宮村愛子、奥原希望、山口茜に続く4人目、令和では初の女子高生Vを果たした。同ダブルスではパリ五輪銅メダルの志田千陽、松山奈未組(再春館製薬所)が、元“わたがし”の五十嵐有紗(BIPROGY)、桜本絢子(ヨネックス)組を退け、初の日本一に立った。
28年のロサンゼルス五輪へ、バドミントン界にニューヒロインが誕生した。宮崎は第1ゲームを21-18で競り勝つと、第2ゲームは7点差をつけて圧倒。シャトルを前後左右に打ち分けて相手を翻弄(ほんろう)する多彩なショットを見せれば、ビデオ判定で5分以上の試合中断があっても動じない集中力の高さも光った。女子高生での日本一は、世界トップで活躍する奥原、山口が通ってきた“出世街道”。「憧れの選手。同じ結果を残すことができてうれしい」とはにかんだ。
競技との出会いは6歳。幼少期から運動能力が高く、卓球やテニスのラケット系種目を経験してきた。ただ当時は力が弱く、母から「卓球とテニスの間を取ってバドミントンはどう?」と提案。打つものが球からシャトルに変わった。
22年から日本代表に名を連ね、今年9月の中国オープンでは山口にストレート勝ち。世界ランキングは12位に上昇し、18歳ながら世界トップ選手の仲間入りを果たした。
夢は日本人未踏の五輪シングルスの頂点。大会のご褒美に「田口(真彩)さんとディズニーに行きます」と話す女子高生らしさはにじませつつ、「五輪で金を取ることが夢」と堂々宣言した。ロサンゼルス五輪までは4年の時間がある。世界の頂点へ。期待の新星がここから駆け上がる。
◆宮崎友花(みやざき・ともか)2006年8月17日、大阪市出身。6歳から競技を始め、バドミントンの強豪の山口・柳井中に入学し、柳井商工へと進んだ。22年には世界ジュニア選手権で優勝。全国高校総体では23年大会から女子シングルスを2連覇した。22年から日本代表入りし、今年9月の中国オープンでは準優勝を果たした。卒業後はACT SAIKYOに加入予定。靴ひもの色を左右で変えるのがお気に入り。好きな色は緑。好きな科目は美術、苦手な科目は数学。164センチ。