中大・吉居駿恭が涙の区間賞「1区の仕事果たせてよかった」兄大和の区間記録に27秒及ばずも歴代4位快記録 兄彷彿の大逃げで独走 2位に1分32秒差

1区を快走した吉居駿恭(左)からたすきを受け駆け出す中大・溜池一太(撮影・開出牧)
1区を快走し溜池一太(手前)にたすきを渡す中大・吉居駿恭(撮影・開出牧)
スタートダッシュする中大・吉居駿恭(中央)=撮影・西岡正
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 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場)

 第101回大会がスタートし、1区では当日変更で起用された中大の吉居駿恭(3年)が1時間1分7秒の歴代4位の記録で区間賞を獲得した。

 圧巻の大逃げだった。兄の大和(現トヨタ自動車)の持つ1区の区間記録1時間00分40秒(22年)に挑んだ。号砲とともに一気に前に出て、22年の兄と同じような独走態勢に持ち込んだ。5キロを区間記録ペースを上回る13分56秒で刻むと後続はついていけず。その後もハイペースを刻み続けた。2位の駒大に1分32秒差をつける独走劇。2区溜池一太(3年)にタスキを渡した後には涙する姿もあった。

 インタビューでは「展開的にも(22年の兄と)似たような展開だった。想定はしてなかったけど、スローは嫌だったので。気持ち良く走れました。(記録は)後半きつくなってしまって、もっと落ちてるかと思った。沿道から区間新狙えると声があった中で届かなかったのは悔しい。ここ2年、1区から流れないことがあって、みんな楽しく走れてなかったので。楽しい駅伝にしてもらいたい。1区の仕事果たせてよかった」と、胸をなで下ろした。「1分半開けられてよかった。スローなら前に出て、レースを作ろうと思っていた。兄の姿も想像しながらできたらいいなと思っていた。兄のタイムは意識はしていたが、10キロの段階で遅れていたので厳しいかなと思っていた」と、振り返った。

 チームは昨年優勝候補にも挙げられた中で、体調不良者が続出し、無念の13位。今大会は予選会を突破して、駒を進めてきた。兄の記録には27秒及ばなかったが、古豪の意地、復権への号砲を鳴らす、エースの走りとなった。

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