青学大 原晋監督がレース後に見せたワンシーン 若林の異変を真っ先に察知→飴とドリンク手渡し気遣う 選手も即座に行動 総合力の源か
「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場)
青学大が5時間20分1秒で2年連続7度目の往路優勝を飾った。2年連続8度目の総合優勝に王手をかけた。2位の中大に1分49秒差をつけた。優勝インタビュー後、原晋監督が見せたあるワンシーンがあった。
往路V戦士がイスに座って待っていた中、5区で逆転を演じた若林だけがずっと息が上がっている状態だった。すると異変を察知した原監督が「取材できるか?」と声をかけると、若林は「ちょっと無理です。震える」と返答した。
すると即座に他のメンバーが動き、抱きかかえる形で控え室へ。原監督は飴とドリンクを渡して往路Vの殊勲者を気遣った。約10分後、再びテントから姿を見せた若林は仲間と一緒に表彰式へ。大事に至らなかったことが幸いだ。
原晋監督は「少し出遅れた感はあったけど、駅伝は総合力。冷静に対応できた。最後は“若の神、ここに降臨”という形で頑張ってくれた。学生達が1年間努力した成果がここに結んだと思います」と、選手をたたえた。指揮官、選手、一致団結した総合力を垣間見たようなワンシーン。「本当はね、1区とか3区とかもう少し楽にできる場面だったんですけど」と1区・宇田川、3区・鶴川にチクリとしながらも、「駅伝はトータル。良く頑張ってくれた」と目を細める。
この日は1区の宇田川がトップの中大から1分45秒差の10位につけると、2区に投入された黒田が3人が区間新をマークする高速レースの中で自身も区間記録を更新する7人抜きの快走で区間3位となり、3位に浮上。3区の鶴川は区間4位で粘ると、4区に投入されたもう1人のエース、太田が区間賞の走りで2位に浮上。最後は山上りの5区で2年連続3度目となった“若の神”こと若林が、トップと45秒差でタスキを受けると、10キロ手前で中大を逆転した。若林は1時間9分12秒で区間新記録をマークした。
復路に向けて「6区の野村が後続に30秒以上つけて、ピクニックランで7、8、9、10と帰ってきたいと思います」と語った指揮官。今年も箱根で強さを発揮した形になった。