青学大 原晋監督が日本陸上界に警鐘「実業団の監督はつまらんのですよ」大学指導者との熱量に差「結果出さないとひどいことに」

 「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 往路連覇を飾った青学大は復路は1度も首位を譲ることなく、10時間41分20秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を飾った。11年間で驚異のV8となった。原晋監督は閉会式後、実業団チームへの警鐘を口にした。

 近年、大学生ランナーがマラソンで世界を目指す足がかりをつかんでいる。その現状を踏まえた上で「実業団の監督はつまらんのですよ。ポリシーを持って育成するという意識がない」と問題点を指摘した。

 話は熱を帯び「昔の中村清さん、小出先生、藤田さん、本当に日本長距離界で金メダルを取らす、自分が取らすという熱量の高い指導者が実業団はゼロ。サラリーマン指導者になっている。実業団の指導者が。それだけ自分が思いを持って指導に当たっていない」と現状を分析。その要因として「結果に責任を持ってない。大学は5年でクビになりますからね。厳しい契約関係の中で一生懸命やって。朝は5時から起きて、遅くまで指導して。夏合宿も帯同して。だから生徒が卒業しても心が通じて卒業しても一緒にやろうとなる」と指導者としての熱量の部分を指摘した。

 「実業団はオリンピックでマラソンを戦うにあたって、一度たりともウチに視察にきたことがない。本当にそれで大丈夫なんですか」。こう警鐘を鳴らした原監督は「大学の指導者はみんな真剣。大八木さんも前田君も酒井くんも、僭越ながら私も真剣にやってる。逃げられない。結果出さないとそれこそひどいことになる」と大学陸上界の指導者の現状を明かす。

 「学生界のレベルアップは素晴らしいものがある」と語り、大学と実業団で対抗イベントとなるエキスポ駅伝は「優勝目指して行きます。社会人は今の大学生の力を肌で感じなさいと」と結んだ。

 今回は妻で寮母の美穂さんをゴールのところに招き入れたことについても言及。批判を覚悟の上での行動だったといい「いろんなことを犠牲にして夫婦でこの箱根駅伝を人生かけて戦っている。これまで奥さんをゴールに入れ込んだことは一度もないんです。でも裏方の人間を表に出したい。頑張った人が報われる社会を作りたい。その一つが今回なれたのかな」と語った。

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