「山の神になることはできませんでした」憧れを捨てて挑んだ花の2区 日本人最速激走のエースが綴った葛藤にSNS「涙しました」「山から権太坂に」

 ムチーニ(右)にたすきを繋ぐ創価大・吉田響=2日
 齊藤大空(左)からたすきを受け駆け出す創価大・吉田響=2日
 たすきを受け駆け出す創価大・吉田響=2日
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 箱根駅伝の2区で日本人歴代最速となる1時間5分43秒を記録した創価大のエース、吉田響(4年)が大会が終了した3日、自身のXを更新。長文で思いを綴った。

 創価大は総合7位だった。「2日間、創価大学の応援ありがとうございました。そして、山の神になれると信じてくれた皆様、本当にごめんなさい。山の神になることはできませんでした」と、目標としていた箱根の代名詞的な存在である5区での活躍ができなかったことを謝罪した。

 こだわりをもっていた5区への挑戦。昨年大会は区間9位に終わっていただけに期する思いもあった。「僕はずっと、山の神になることを目標にこの4年間頑張ってきました。練習も食事も、睡眠も、どうしたら山を登れるか、山の神になれるのか。夢にも出てくるくらいそれを叶えるためには何をしていけばいいかを模索してきました。昨年の箱根駅伝は、その思いとは反比例した結果となり、2025年こそはと、榎木監督らにご理解いただき、築舘コーチと何度も何度も相模原のクロカンや山に向けた個人の練習に付き合っていただきました」。ただ、平地で大学屈指のランナーとなった中で「全日本大学駅伝が終わったあとを目処に自分が5区を走るよりも、2区を走った方が現実的だという話をいただき、12月前後から2区に向けて少しずつ対策をしていきました」と、チーム事情によりエース区間2区を任されることに。「正直、はじめは自分の中で納得がいきませんでした。周囲の期待を裏切るんじゃないかということや自分を曲げずにやってきたことを諦めるのが怖く、、、とても不安で身を切るような思いでした」と、葛藤があったことを告白した。

 それでも最後はチームへの思いが勝った。そして「ただ、自分の夢よりもこのチームが勝つことに全力を注ぎたい。みんなで笑ってこのチームでやってきてよかったと終わりたいと思い、自分から監督に2区を行きたいと志願しました。結果としては自分が持てる全てを発揮して箱根駅伝を終えることができました。2区を走るという選択肢がとれたこと、2区で日本人最高記録を出せたこと。この2つは創価大駅伝部に出会わなければ絶対にすることが出来なかったと思います。改めて自分がたくさんの人のおかげで走れているということ。応援や支援をいただいてるということ。チームで箱根駅伝総合優勝というひとつの大きな目標に向かって目指せることがどれだけ幸せかということ。今いる環境が当たり前なんかじゃなくて、奇跡だということ。たくさんの気づきと感謝をこのチームは教えてくれました」と、感謝を綴った。

 最初に入学した東海大のスタッフやメンバーにも感謝を綴った上で「僕は弱い人間で、陸上以外何もなくて、、、。それでも、たくさんの人に支えてもらって、応援してもらって、生かされて、ここまで来ることが出来ました。誰1人として欠けてたら今の僕はいなかったと思います。僕のことが好きな人、嫌いな人、僕の人生に関わってくれてありがとう。次は誰かに支えられるんじゃなくて、誰かの人生の糧や気づきになれるようなプロランナーになれるようにこれから頑張っていきたいと思います」と、将来を見据えた。

 確かな足跡を残した男の思いにコメント欄では「山の神になれなかったのではなく、山から権太坂に降臨し、花の神になったのですよ。それは山の練習をしていたからですよ」、「思いが伝わる文章に涙しました」と、感動の声が寄せられていた。

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