照ノ富士 初場所出場に意欲「やれることをやってきた」公開稽古で錦富士らを相手に9戦全勝
「大相撲初場所」(12日初日、両国国技館)
両膝痛などで2場所連続全休中の大相撲の横綱照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が9日、東京都江東区の部屋で報道陣に公開された稽古で、幕内錦富士らを相手に9戦全勝だった。初場所出場は明言しなかったが「駄目だったら駄目で、結果はどうなろうと認めるしかない。自分の中でやれることをやってきた」と、3場所ぶりの出場へ意欲を示した。
照ノ富士は幕下力士に胸を出して体の動きを確認した。元学生横綱の幕下草野を指名して5番、錦富士とは4番取った。上半身の厚みが増し、左上手を引いての寄りは威力十分。それでも「まだ感覚は完全に戻ったわけではない」と慎重に語った。
6日の横綱審議委員会による稽古総見では、3大関の申し合いに割って入り、大関大の里と7番連続で取って3勝4敗だった。稽古後、初場所出場の可否を問われると「誰が休むと言った?」と気迫を漂わせた。
8日は時津風部屋への出稽古を敢行し、元大関の幕内正代に11戦全勝。出場可否について明言しなかったが「そういう変なことは聞くな」と話し、出場への意欲をにじませた。そしてこの日、10日午前に取組編成会議を控え、出場可否を問う質問にはいらだちを隠さなかった。
昨年7月の名古屋場所で10度目の優勝を遂げた後、両膝痛や糖尿病の悪化で2場所連続全休中。昨年は15日間皆勤が優勝した2場所にとどまった一人横綱。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「本人が『やる』と言ったら、それは尊重してあげないと。出るなら結果を残すようにしてもらわないといけない」と述べた。