藤波朱理 新時代の最強女王にホワイトベア・スポーツ賞 パリ五輪で列島に夢と感動を与えた21歳

 金メダル獲得が決まり、マット上で絶叫する藤波朱理
 果敢に攻める藤波朱理(左)
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 デイリースポーツ制定「ホワイトベア・スポーツ賞」の2024年度受賞者が決定した。パリ五輪の体操男子団体総合、個人総合、種目別鉄棒金メダリストで、種目別平行棒銅メダルの岡慎之助(21)=徳洲会=と、同レスリング女子53キロ級金メダルの藤波朱理(21)=日体大=を選出した。日本中に夢と感動を与えた2人の選考理由を紹介する。

 パリ五輪で最も輝きを放った1人が、レスリング界のニューヒロインだった。藤波は初の夢舞台で4試合を無失点で勝ち抜き、圧倒的な強さで悲願だった金メダルを獲得。幼少期から二人三脚で頂点を目指してきた、セコンドの父・俊一コーチに抱きついて喜びを分かち合う姿も話題となった。

 4歳でレスリングを始め、テレビで見た五輪3連覇の吉田沙保里や4連覇の伊調馨といったレジェンドに憧れを抱き、金メダルだけを夢見てきた。同郷出身の東京五輪女王・志土地真優らとの激しい代表争いを制し、初の五輪切符をつかんだ。本番直前の2024年3月には練習で左肘を脱臼し、手術を受けるピンチもあったが、逆境を乗り越えて夢をかなえた。

 五輪以降はメディア出演などでも注目を集め、飛躍の1年を終えた。「夢をかなえられた1年。また、五輪が終わってからの4カ月を通して、また新しい夢ができた1年だった。夢に向かって頑張れる日々が自分の一番の幸せだと感じられた」。パリ五輪で137連勝を達成し、公式戦139連勝も継続中だが、21歳にとっては途上に過ぎず「もうパリ五輪は過去のこと。新しい戦いが始まっている」と気を引き締める。

 28年ロサンゼルス五輪に向けては、今年の大会から57キロ級への転向を表明している。減量幅が大きかった53キロ級時代には控えていたウエートトレーニングも解禁し「より“マッチョ藤波朱理”になれるように」と肉体改造を宣言。「さらに強い藤波朱理を見せられるように頑張っていきたい」。新時代の最強女王は新たな伝説を築き上げていく。

 ◇藤波朱理(ふじなみ・あかり)2003年11月11日、三重県四日市市出身。指導者の父・俊一さんや兄の影響で4歳からレスリングを始めた。三重・いなべ総合学園高から日体大に進学。中学2年時の17年9月から公式戦無敗を続けており、現在は139連勝中。世界選手権は21、23年大会で優勝。パリ五輪では金メダルを獲得した。家族は両親と、兄は17年世界選手権銅メダルの勇飛。趣味はおいしいものを食べること。164センチ。

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