田中希実 未知数10キロ挑戦に「甘くなかった。ちょっと長かったかな」も震災30年の故郷背負い力走「順位とかタイムだけじゃない何かを」

 「全国都道府県対抗女子駅伝」(12日、たけびしスタジアム京都発着)

 パリ五輪代表で、1500メートル、5000メートル日本記録保持者の田中希実(ニューバランス)は兵庫のアンカーとして出場し、12位から2つ順位をあげて、10位でゴールとなった。

 未知数の10キロ区間に挑んだ田中は序盤から果敢に飛ばしていった。後方から追い上げてきた長崎の東京五輪代表、廣中璃梨佳に交わされたが、粘りの走りで10位まで順位を上げた。本来の爆発力は影を潜めただけに「もっと気持ちよく楽しく走れたらよかったですけど、甘くはなかったなと。個人としてはこれからに向けてちょっとふがいない走りだったなと思います」と振り返ったが、阪神大震災から30年を迎える兵庫を背負ったアンカーに「兵庫の思いをのせることができたら、1番いい走りなんじゃないかと思ってて、自分個人のレースだったら苦しくてもすぐに休んでしまうところを、苦しいところを今日も1回も休まずに走れたのは駅伝だったから。普段と違った走りはできたと思う。その中で限界を超えるような走りは今日はできなかった。そういった走りで兵庫に貢献できればもっとよかったんですけど、ゴールした後の皆さんの顔を見た時に、皆さん笑顔で『ありがとう』と言ってくださったので、何か順位とかタイムだけじゃない部分で何か伝えられたんじゃないかなというのはうれしい」とうなずいた。「苦しい時にワッペンもなんですけど、震災にあった方々の苦しさであったり、日本全国、世界中で苦しんでいる人の苦しさに比べたら、自分のやりたいことに思い切りチャレンジできている裏返しの苦しさ。ここで負けてはいけないと思えて、震災30年だからこそよりそれを感じながら走ることができたのではないかと思います」と語った。

 未知数だった10キロの挑戦については「ちょっと長かったかなっていうのは思ってて、そこで10キロというところに抵抗を感じてゆっくり入ってはいけないと思ったので、最初から思い切って入ったつもりだったんですけど、それが自分のリズムのようで、自分のリズムじゃなく、タイムもそんなに速くなかったので、そこは自分の力不足なのか、駅伝ならではなのか、分からない部分ではある。ただ、もし2区で走ったとしてもいい走りはできなかったという感覚だった。こういう時もあると今日の全力を尽くすことに注力できたかなと思います」と振り返った。

 レースは京都が3年ぶり19回目の優勝を飾った。2区で佐藤ゆあ(立命館宇治高)が先頭に立つと、その後は一度も先頭を譲らず、前回区間賞のアンカーの川村楓(岩谷産業)も崩れることなく、ゴールテープを切った。2年ぶりの優勝を狙った大阪が2位。3位は福岡だった。

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