横綱照ノ富士が現役引退へ 満身創痍、3場所ぶり復帰も5日目から休場 横綱在位21場所で13度の休場 序二段転落から奇跡の復活の苦労人
大相撲の横綱照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が現役引退の意向を固めたことが16日、分かった。
初場所で3場所ぶりに復帰したが初日に小結若隆景(荒汐)の肩透かしで黒星を喫すると、4日目に翔猿(追手風)に金星を献上して2勝2敗となり、右膝と腰の痛みのため休場していた。照ノ富士の休場は3場所連続で24度目。横綱在位21場所で13度目だった。
15日の取組後に照ノ富士から休場の意思を伝えられた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、「右膝は場所前の稽古を始めたころに水がたまった。(6日の)総見に行って腫れた。腫れているし、曲げられない」と説明。その右膝をかばいながら相撲を取り続けたことで腰も痛めたという。
本人は場所前に「できることをとりあえずやってきた。あとはやるだけなので。それで駄目だったら駄目で結果はどうなろうと認めるしかない」と覚悟を語っていた。
照ノ富士は15年夏場所で初優勝し、大関に昇進したが、両膝痛、糖尿病に苦しみ、17年名古屋場所からの4場所連続休場などもあり、18年には序二段まで転落した。それでもそこから幕内優勝3度を重ね、21年名古屋場所後に横綱に昇進。その後も休場と出場を繰り返しながらも、出場した際は圧倒的な勝負強さで優勝を重ねた。幕内優勝は通算10度果たした。