豊昇龍 雲竜型初披露「緊張はあった」 22年前の叔父・朝青龍と同じ日「縁があるんじゃないですか」
大相撲の第74代横綱に昇進した豊昇龍(25)=本名スガラグチャー・ビャンバスレン、立浪部屋=が31日、東京都渋谷区の明治神宮で奉納土俵入りを行った。約3500人が熱い視線を送り、史上4位の優勝25度を誇った叔父の元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさん(44)らも見守った中、同じ雲竜型を披露した。
威風堂々という言葉にふさわしい土俵入りだった。豊昇龍の奉納土俵入りに、約3500人の観衆の目はくぎ付けになった。「大勢の目の前で初めてやったので、練習した中でも意外と緊張はあった。きちんとできたかなと思う」。大役を終え、合格点をつけた。
太刀持ちに幕内平戸海、露払いに兄弟子の幕内明生を従えた。力強い四股に、あちこちから「よいしょー」の声が上がった。左手を脇腹に添え、右手を斜め前方に出してのせり上がりは迫力十分。1分35秒と平均的な長さで、一つ一つの所作を勇壮に行った。
叔父の元横綱朝青龍も見守った中での土俵入り。ちょうど22年前に叔父が横綱土俵入りを行っており「同じ日はなかなかない。縁があるんじゃないか」と感慨深げに語った。すべてを終えて発した「少しほっとしている」という言葉には実感がこもっていた。
30日に武蔵川親方(元横綱武蔵丸)から土俵入りの指導を受けた後、歴代横綱の雲竜型の動画を何度も見て研究。三つぞろいの化粧まわしは武蔵川親方が使用したものを借りた。見届けた師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「感無量だ。土俵入りは完璧だったと思う。かっこよかった。同時に、責任の重さを感じた。しっかり育てていきたい」と、思いを新たにしていた。
土俵入りの前の横綱推挙式では、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)から推挙状と30日の「綱打ち」で作られた純白の横綱が手渡された。昇進関連の行事はこれで一段落。25歳の若き一人横綱は「緊張することが多くて、少し焦っている。責任を持ってしっかり頑張っていきたい」と率直な心境を明かした。
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