青学大・若林宏樹 現役ラストで出た!初マラソン日本最高&学生新 4月からは日本生命に就職 瀬古氏「本当に終わるの?」

 別府大分毎日マラソンで、日本人トップの2位でゴールする若林宏樹
 2時間6分7秒をマーク
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 「別府大分毎日マラソン」(2日、大分市高崎山うみたまご前~ジェイリーススタジアム)

 若林宏樹(22)=青学大=が2時間6分7秒で日本人トップの2位に入った。日本歴代7位の好記録。初マラソン日本最高で、日本学生記録も塗り替えた。今大会は9月の世界選手権東京大会の代表選考会を兼ねるが、若林はこのレースを最後に競技を退き、春から日本生命に就職する。2時間6分38秒の大塚祥平(九電工)が3位。ビンセント・キプチュンバ(ケニア)が大会新記録の2時間6分1秒で制した。

 初マラソンを最後のレースと決めていた「山の神」が驚異の快走を見せた。東京箱根間往復大学駅伝で青学大を総合2連覇に導き、卒業後は第一線を退く若林が、昨年2月に平林がマークした初マラソンの日本最高記録を11秒も塗り替えた。「(想像を)はるかに超えるタイム。最後だからこそ出た」と有終の美に感慨を込めた。

 箱根の山上り5区で区間新を出すなど活躍したスタミナを42・195キロでも発揮した。35キロ過ぎの上りでキプチュンバが仕掛けても遅れず、一騎打ちに。最後は6秒差をつけられたが、40キロ過ぎには一時先頭にも立つ力走が光った。

箱根の方が苦しい

 5区の20・8キロのために練習を重ね「この1年間、40キロ以上走ったことがなかった」と言う。それでも、距離への不安を「箱根の山の方が心肺(機能)という点では苦しかった」と吹き飛ばした。青学大の原監督は「1年かけて走り込み、十分マラソンに対応できる体ができている」と好成績の要因を分析した。

 9月の世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)を突破。テレビ解説を務めた日本陸連リードランニングコミッションリーダー・瀬古利彦氏が「本当に終わるの?世界陸上の代表に選ばれるかも」とレース引退を惜しむほどの走りをみせたが、4月からは日本生命で社業に専念する。2020年には、青学大の先輩でもある吉田祐也(現GMOインターネットグループ)が同大会で好走し、一般企業就職予定から急きょ現役続行に進路変更した例はある。しかし若林の意思は変わらないという。「陸上人生を懸けたレースだと、練習を積んできた。悔いはない」。すがすがしい表情だった。

 ◆若林宏樹(わかばやし・ひろき)2002年9月3日、和歌山県海南市出身。京都・洛南高時代を経て、青学大に進学。1年時から学生3大駅伝(出雲、全日本、箱根)に出場し、3年時の箱根駅伝は5区で区間新の2位。今年1月の箱根駅伝も5区で区間新をマークし、2年連続8度目の総合優勝に貢献。愛称は「若の神」。弟の良樹も青学大陸上部1年。大学をもって競技から退き、日本生命に入社予定。168センチ、53キロ。

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