大阪マラソン主催者が運営ミス認め謝罪「私どもの落ち度」先頭集団折り返し地点誤認の原因はカラーコーン設置忘れ 中継車、白バイが誤って直進し選手つられる 記録は公認へ
「大阪マラソン」(24日、大阪府庁前~大阪城公園)
9月の東京世界選手権の代表選考会を兼ねて行われ、衝撃のアクシデントがあった。ハイペースを刻んでいた先頭集団が30キロ過ぎの折り返し地点を間違えて通過。20メートル先を折り返してしまった。大阪マラソンの主催者はレース後緊急会見を開き、カラーコーンの置き忘れでコースを遮断していなかったという運営ミスを認めた。
初マラソンの青学大・黒田朝日(20)、日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)、日本人トップの2位となった初マラソンの近藤亮太(25)=三菱重工=らが先頭集団を形成。30キロを1時間28分56秒で通過と、日本記録も狙えるペースだったが、ペースメーカーが外れた中で予定の折り返し地点を通過してしまい、20メートル先を折り返す形となってしまった。
複数の折り返し地点があるコース。地点には万博のマスコット、ミャクミャクの像が置かれていた。1台の白バイ、タイム表示の関係車は予定通り折り返していたが、もう1台の白バイと報道の中継カメラが直進。これについていってしまった形となった。20メートル先の折り返し地点を撮るために設置されていたカメラ台の先を折り返す形となり、中継では約11秒のロスとされた。
後続の選手が戸惑い、「ここじゃないの?」というジェスチャーをみせる場面もあった。NHKの解説を務める花田勝彦氏は「もったいないですね」と、残念がった。
レース後、主催者でもある大阪陸協の竹内章専務理事は「本来は折り返し地点から先にいけないようにカラーコーンを設置し走路を遮断するはずだったが、それを怠っていた」と説明し、陳謝。先頭集団15人を先行する白バイのうち1台と中継バイクが折り返し地点を越えて設置している固定中継カメラの後ろを回って折り返した。約30メートル長い距離を走ったという。白バイ1台は正式な折り返し地点を回ったが、中継バイクともう1台の白バイが間違えて直進してしまったという。折り返し地点の目印は「先頭を走る外国人選手に認識できたかどうかはわからない。コースを遮断できなかったのが私どもの落ち度。合計30メートル長く走らせてしまった」と語った。その後、是正したが、何人が間違ったかは不明。女子の先頭については正しいコースを走ったという。
竹内専務理事は「2度とこういうことが起こらないようにしたい」とした上で、「ルール上マラソンでは長すぎた場合でも42メートル、つまり総距離の0・1%以内なら公認される」として記録は公認されるとした。
日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)は「あとで聞いたんで。イマイチ間違えたという認識がなかった」と、レース後に気づいたことを明かした。