「大相撲春場所・千秋楽」（２３日、エディオンアリーナ大阪）

　元大関の高安（田子ノ浦）は無念の準優勝に終わった。本割で小結阿炎（錣山）に上手出し投げで勝利し、３敗を死守したが、優勝決定戦にもつれ込まれると、大関大の里に屈した。高安が千秋楽に優勝の可能性を残すのは今回で９回目だったが、またも届かなかった。デイリースポーツ評論家で元横綱武蔵丸の武蔵川親方は「負けたけど立派、来場所以降も初優勝のチャンスはある」と評価した。

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　優勝決定戦で大の里は右が差し込めなかった。右が上手になったけど、構わずに一気に前に出たのがよかったね。この相撲を多く出せたら、綱取り場所が楽しみだね。

　キーポイントは、今場所も何番かあった引く相撲だな。体で勝手に覚えてしまっていて、右を差す自分の体勢になれなかったときに、我慢できずに引くのが癖になっている。これを徹底して、けいこで直すことだね。

　高安は負けたけど、立派だったよ。決定戦の立ち合いは頭から速く当たって、大の里より良かった。惜しいのは、あともう少し重心が低かったら、相手の前進を止められた。ただ、気持ちを切らさないで、きょうみたいな相撲を取っていけば、まだまだ間違いなく、来場所以降も初優勝のチャンスはあるよ。