3度目Vの大の里 自力優勝消滅からの逆転Vを父がたたえる「立て直したことに成長感じた」
「大相撲春場所・千秋楽」(23日、エディオンアリーナ大阪)
大関大の里が3場所ぶり3度目の優勝を飾った。本割で大関琴桜を寄り切り、12勝3敗で並んだ高安を優勝決定戦で撃破した。大関昇進後は初制覇となった。春巡業での故郷凱旋(がいせん)に花を添え、夏場所(5月11日初日、両国国技館)では綱とりに挑む。高安は悲願の初優勝を逃したが、技能賞を獲得した。
大の里の父でアマチュア相撲でならした中村知幸さん(48)は、3度目の優勝を果たした息子とともに歓喜の万歳三唱。地元の石川・津幡町から来阪し、14日目から会場で観戦した。「上がり下がりがあったからしんどかった。立て直したことに彼の成長を感じました」と、自力優勝消滅からの逆転をたたえた。
昨年の春場所も千秋楽に優勝の可能性があり、急きょ大阪入り。しかし、尊富士が美酒を手にしていただけに「今年はリベンジできたのでうれしい」と喜んだ。
大関昇進後は9勝、10勝と足踏みが続いた大の里。「地力を付けて上がればいい。慌てる必要はないよ」と息子を励ましてきたという。だが、今場所中はメール等での連絡を遮断し、息子の成長に託した。一層喜びの大きい優勝となった。
来場所は綱とりを期待する声が高まる。それでも知幸さんは「もっと地力を付けないと。きょうの優勝で横綱だ、とは1ミリも考えていない。まだまだですね」と、息子のさらなる成長を願った。