石川・七尾で大相撲の春巡業 能登地震で昨年は開催見送り
大相撲の春巡業が5日、昨年の能登半島地震で被害を受けた石川県七尾市で行われ、満員となる約3千人が詰めかけた。地震の影響で昨年4月の開催は見送られており、同県津幡町出身の大関大の里は「開催できて良かった。能登の皆さんにたくさんのパワーをもらっている。春場所で優勝して帰ってこられてうれしい」と感慨を込めた。
会場の体育館の横には仮設住宅が立ち、館内には「まけんぞ能登!」のメッセージが掲げられた。夏場所で初の綱とりに挑む大の里は「まだ上に番付があるので頑張りたい。もう一度、いい報告ができるように」と決意を新たにした。
隣接する穴水町出身の幕内遠藤は、ひときわ大きな声援を浴びた。懸命に土俵を務める34歳の人気力士は「一番の原動力だし、支えになっている。こうやって帰って来るとは思っていなかったので、ご褒美だと思って力にしたい」と語った。
七尾市出身の十両輝は、実家周辺の家の多くが全壊や半壊と判定されたという。「まだまだ復興の途中。震災を風化させず、現状を知ってもらいたい」と切実に訴えた。