涙の世界一!サイクロプス大阪座談会【1】たぬかな「私は神格化されてるようで…」
大阪が拠点のeスポーツチーム「サイクロプス大阪(CAG)」のメンバー、たぬかな(26)、GO1(31)、どぐら(32)、フェンリっち(23)の各選手が、このほど座談会を行った。デイリースポールで月1回連載中の「月刊たぬかな」特別ワイド企画で、4人はGO1選手が優勝した8月上旬の「EVO2019」、eスポーツの現在と未来、プロゲーマーとしての今後など、たっぷりと語った。
◇ ◇
-まずはGO1さん、「EVO2019」の優勝おめでとうございます。
一同「(拍手しながら)おめでとう」
GO1「ありがとうございます」
-昨年の決勝で敗れた相手に見事なリベンジ。
GO1「相手はEVOで何度も優勝しているアメリカ人の21歳。今年は負けない気持ちで行きました。実は、前日に彼と練習試合を行い、勝負はほぼ五分五分。正直、どっちが勝つかわからない…という感じでした」
-勝って涙。さまざまな思いがこみ上げた。
GO1「勝った瞬間に手が震えて涙が出てきた。あそこまで感極まって泣いたのは初めて。2015年に初めてEVOに行った時、メイントーナメントを見て“ここにステージに立ちたい!”と思ったのがプロになるキッカケ。目標の場でしたから」
-今年6月にご結婚された。奥さまにもいいプレゼントに。
GO1「はい(笑)。試合後に勝ったよ!とメールを送ったのですが、時差の関係で寝ていたので、起きてからおめでとう!という返事が来た(照れ笑い)」
-皆さんもこの優勝見て刺激を受けた。
どぐら「GO1君はこのゲームが昨年2月に発売になった時から『このゲームで一番になる』とずっと取り組んでいた。昨年の準Vになってからも、丸1年ずっと頑張っていた。今年は決勝で同じ相手にリベンジ。そんな姿を間近に見ていたので、本当に良かったと思う。と同時に、EVOは自分にとっても毎年いろんな感情を思い起こさせてくれる特別な大会。僕も過去にメイン準優勝や入賞はありますが、メインタイトルで優勝がないので、頑張りたいと思いました」
フェンリっち(以下フェン)「GO1さん、取り組みが実りよかったなと思うと涙がこみ上げました。良かったな!と思うと同時に、来年は自分があの位置に立ちたいと強く思いました。自分もサイドの優勝はあるがメインではないので」
たぬかな「ちょうど自分は対戦中で優勝の瞬間は生で見られなかったのですが、勝って泣いているGO1さんの姿をツイッターで見て、ウッとこみ上げて…」
-たぬかなさんの個人的な成績は。
「昨年は49位で今年は65位。皆さんほど成績が良くなくて悲しいです。でも最後まで会場に残って、アメリカのファンとの写真撮影などファンサービスをしっかりやってきました。1、2位とか絡めないので、そっちで頑張ろうと(笑)。実は1年目は成績が悪くて、すねてホテルに帰ってました。あとで、現地のファンが“どこにいった”と探していたと聞いたので」
-アメリカにもファンが多い。
たぬかな「アメリカにゲームやる女子があまりいないので、どうやら私は神格化されているようです(笑)」
-やはり世界のトップになることはすごいでことです。改めて今の気持ちは。
GO1「今はすごい安堵(あんど)というかホッとした気持ち。昨年は負けて帰国し、練習するぞ!と頑張った。今年はまず1週間休もうと思った。ただ、ワールドツアーもあるので、また気合入れて頑張らないと」
-ワールドツアーなど世界が戦いの舞台。
どぐら「格闘ゲームの大会は、国内より海外の方が多いので必然的に海外に行きます。ただ、飛行機移動が多く腰痛が大変。飛行機対策は必須です」
たぬかな「飛行機は長時間乗るので。みんな腰をやられる」
-その面では体が資本。ゲームの技術だけでなく体作りも大切。
どぐら「ジムに通っているプロゲーマーが増えている。自分も30歳を超え体力面は衰えたと感じてます。でも、格闘ゲームは反射神経とか動体視力が大事ですが、それより年齢、経験の積み重ねによるうまさの方が大切かなと思う。今は体力が落ちても昔よりうまくなっている手応えはあり、実際に勝てるようになっている」
GO1「僕は真逆で動体視力とか反応に頼ったプレースタイル。年齢を増すごとにだんだん弱くなっていく。徐々に切り替えていかねばと思う。もちろん体力作りとかはしっかりやらねばいけない。今、ジムに通っています」
-取り入れている動体視力を鍛える方法は。
「大会前に速読で集中力反応速度を上げる訓練をやっている。効果はわからないが、テレビでやっていたので、やらないよりやる方がいいと思って」
-先輩の取り組みを聞いた20代の2人は。
たぬかな「ジムとかは運動あまり好きじゃないので…」
フェン「自分も苦手です」
たぬかな「ダイエットなど自分の体形を保つ努力はします。その程度ですね。筋トレとか全然しません」
フェン「何もやっていないので、自分もこれから筋トレに取り組もうと思う」
※【2】に続く