高橋4位も納得の演技「完成度は高い」

 「フィギュアスケート世界選手権」(13日、カナダ・ロンドン)

 男子ショートプログラム(SP)は高橋大輔(26)=関大大学院=が84・67点で4位発進した。日本選手権王者の羽生結弦(18)=宮城・東北高=は4回転で転倒するなどミスが続いて75・94点の9位と出遅れた。無良崇人(22)=中京大=は11位。3連覇を狙うパトリック・チャン(22)=カナダ=が世界歴代最高点の98・37点を出して首位に立った。フリーは15(日本時間16日)に行われる。

 点数に対する観客のブーイングが象徴的だった。高橋は4位。「呼吸も乱れず、丁寧に気持ちを込めて滑ることができたので完成度としては高いかな。ジャンプがこの調子の中ではいいスタート」。納得の笑みを見せた。

 2月の四大陸選手権で7位と惨敗。「かつてないくらいすさまじかった。質量ともいつもの2倍くらい」。中学時代から指導する長光歌子コーチがこう言うほどの猛練習が始まった。2週間の米国合宿で体重は2キロ落ちた。

 準備万端。それでも不安だった。この日の朝、練習用リンクで4回転ジャンプを繰り返したのはその表れ。「4回転の確率が上がらなくて気持ちが落ちていた。悪あがきをしていた」。珍しく練習時間いっぱいを使った。

 本番でも4回転ジャンプは両足着氷。3回転の連続ジャンプも回転不足と判定された。でも、もう迷いはない。「ここまで来たらどうすることもできない。今日でふっ切れたので、ジャンプが良くなると信じて、フリーも練習してきたことをぶつけられれば」。無心のエースが日本を救う。

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