美姫、涙の2位発進 最低技術点クリア

 「ネーベルホルン杯」(26日、オーベルストドルフ)

 35人出場の女子SPで約2年ぶりの復帰戦となった元世界選手権女王の安藤美姫(25)=新横浜プリンスク=は59・79点を出し、2位となった。11年10月のジャパン・オープンを最後に休養し、4月に女児を出産した安藤は技術点で30・13点を出し、国際スケート連盟(ISU)が五輪出場の条件として定めたSPの最低技術点(20点)を上回った。昨季の世界ジュニア選手権覇者の14歳、エレーナ・ラディオノワ(ロシア)が64・69点で首位に立った。

 安藤の瞳には涙が光っていた。4月に第1子となる女児を出産し、ママとなって初の公式大会。ソチ五輪への第一歩を刻み「衣装を着て、メークをしてリンクに立つと、どうなるかと思うぐらい緊張した。大きなミスなく終われたのはすごく良かった」と喜びをかみしめた。

 フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」に乗り、情感豊かな滑りを披露した。3回転‐2回転、単独の3回転、2回転半のすべてのジャンプを着氷した。五輪出場へのSPの最低技術点もクリア。出産して半年足らずと考えれば、上々の滑り出しだ。

 ドイツ連盟から招待の連絡を受けたのは13日。正式に出場が決まったのは18日だったが、会場にはサポートを受けている高須クリニックの広告が置かれるなど、約1週間で準備したとは思えないほど、“ホーム”の雰囲気ができ上がっていた。現地に帯同した愛娘の存在も支えになった。

 フリーでも最低技術点を突破すれば、第1関門は突破となる。「クリアできたら半歩でも一歩でも進めたことになる」。今季のフリーの演目は「火の鳥」。3大会連続の五輪へ、ママ美姫がリンクで舞う。

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