美姫完全Vも課題残す 険しいソチへの道

 「フィギュアスケート・関東選手権・女子フリー」(14日、新横浜スケートセンター)

 出産を経てソチ五輪を目指す元世界選手権女王の安藤美姫(25)=新横浜プリンスク=がSPに続いてフリーも1位となり、合計147・30点で優勝した。2回転となったトーループの着氷で手をつくなどジャンプが乱れ、スピンにも課題を残した。安藤は11月の東日本選手権に進み、五輪代表最終選考会となる12月の全日本選手権進出を狙う。

 母となって戻ってきた2年10カ月ぶりの国内公式戦で、厳しい現実を突きつけられた。フィニッシュポーズを解いた安藤は、納得いかない様子で何かをつぶやいた。

 元世界女王の全盛期からは、ほど遠い内容だった。冒頭の3回転ルッツ、続く3回転ループが立て続けに回転不足となると、中盤以降はスタミナ不足を露呈。ジャンプでバランスを崩し、終盤のスピンでは4段階評価で最低の1。表現力を示す5項目の構成点も伸び悩んだ。

 優勝し、11月東日本選手権にこそ駒を進めたが、求められたのは内容。フリーの91・05点は昨年の全日本選手権の13位相当。総得点の147・30点は、10位にあたる。目標とするソチ五輪出場へ、全日本で最低でも3位以内に入らなければ選考対象にならないだけに、状況は厳しい。

 試合後、本人の意向で取材には応じず、書面でコメントを発表した。「課題も残る2日間になりましたが、今の自分に何が足りないかが明確になったので、今後につながるいい試合になったと思います」。12月の全日本選手権まで残り2カ月。元世界女王に巻き返しのすべはあるか‐。

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