町田SP首位発進「最高傑作」演じきる

 「フィギュアGPシリーズ・スケートアメリカ」(18日、デトロイト)

 男子SPは町田樹(23)=関大=が4回転‐3回転の連続ジャンプを決め、自己ベストで世界歴代6位となる91・18点で首位発進。小塚崇彦(24)=トヨタ自動車=は77・75点で4位、高橋大輔(27)=関大大学院=は77・09点で5位と出遅れた。アイスダンスのキャシー・リード、クリス・リード組(木下ク)は6位。

 自らが「町田樹史上、最高傑作」と言い切るプログラム。演技途中から沸き起こった拍手が観衆の答えだった。ソチ五輪の代表争いに殴り込みをかける首位発進。町田は順位や得点よりも「エデンの東」を演じきったことへの喜びを口にした。

 アメリカのノーベル賞作家の代表作で、ジェームス・ディーンの初主演映画としても名高い「エデンの東」。昨季は挑戦しようとして考え直した。「曲やコンセプトが五輪シーズンにふさわしい」。1年間温存。小説を読み込み、哲学的な言葉も自分なりに理解した。

 冒頭の4回転‐3回転を決めると、その後もジャンプ、スピン、ステップの全てで加点を得た。昨季の中国杯で出した自己ベスト(83・48点)を大幅に更新。SP90点超えは羽生、高橋に次いで日本人3人目。世界歴代6位の高得点で2位に7・4点の大差をつけた。

 フィギュア界では異彩を放つ青年だ。大の読書好きで、愛読書はドイツの哲学者ヘーゲルの「美学講義」。「目指すは純粋芸術としてのフィギュア」と言い切るあたり、哲学者に近い。激しいソチ五輪代表争いに向け、「3枠のうちの1つを絶対に手に入れる」と誓う。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

フィギュア最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(フィギュア)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス