鈴木、表現力で魅せた「まずまず」3位
「フィギュアGPシリーズ・スケートカナダ・第1日」(25日、セントジョン)
女子ショートプログラム(SP)は鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=が情感豊かな滑りを見せ、65・76点で3位発進。グレーシー・ゴールド(米国)が69・45点で首位に立った。
1位のゴールドは18歳。2位のリプニツカヤは15歳。10歳以上も離れた2人と並んだ会見で、鈴木が発した言葉には深みがあった。
「出来としてはまずまず。28歳になって半分くらいの年の子と戦えるのは、すごく光栄でうれしいこと。健康でケガなく続けてこられたからこそ戦えている」
滑り続けられる喜び。演技にも詰まっていた。シャンソンの名曲「愛の讃歌」に乗せて描くのは自身のスケート人生。幼少期の出会い、摂食障害で競技を離れた苦しさ、復帰して再び拍手を浴びる今…。移り変わる曲調に合わせ、思いを表現した。
冒頭の連続3回転ジャンプは後半が回転不足。より難度の高い技を決めた上位2人とはここだけで5・7点以上の開きがあった。それでも最終的には首位と3・69点差。表現豊かなプログラムが、大歓声を送った観客のみならず、審判も引き込んだ証しだった。
26日のフリーは「オペラ座の怪人」。歩み続ける28歳がまた一つ成長した姿を示す。