真央、首位発進「修正部分が出せた」

 「フィギュアスケート・NHK杯」(8日、国立代々木競技場)

 男女のショートプログラム(SP)などが行われ、女子は浅田真央(23)=中京大=が71・26点をマークし、堂々の首位発進を決めた。鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=が66・03点で2位。GPデビューとなった宮原知子(15)=関大高=は6位につけた。男子は高橋大輔(27)=関大大学院=が自己ベストを更新し、SP世界歴代2位となる95・55点で断トツの首位発進。織田信成(26)=関大大学院=が3位につけた。

 1つうなずいた後、すぐに笑みが浮かんだ。トリプルアクセルは両足着氷。得点の71・26点は初戦のスケートアメリカより1・92点下がった。それでも真央には、また1つ階段を上った手応えがあった。

 「修正してきた部分が、しっかりと出せたと思います」

 表現力を示す構成点は、初戦よりわずかだがアップ。ステップでもさらに0・2点上乗せした。スケートアメリカ直後、振付師のローリー・ニコル氏のもとでSP「ノクターン」の手直しを行った。テーマの『初恋』に『情景』という要素をプラス。イメージはカナダ・トロントにあるニコル氏の自宅から見える風景。「湖と山が見えて、凄く景色のいいところ」という。

 そこはスランプに終わった11‐12年シーズン終了後、「スケートを辞めよう」と思った時期に初めて訪れた場所。初めてボートをこぎ、仲間とテニスをし、前へ進む活力を与えてくれた大切な場所への思いがプログラムに新たな深みを与えた。

 現役ラストシーズン。真央は貪欲に進化を追い求めている。SPの手直しも真央自身が提案したことだ。「もっとできるんじゃないかと思った」。ソチ五輪で最高のプログラムにするために、積極的に取り組んでいる。

 さらに今大会、男子の練習を食い入るように見つめる真央の姿がある。この日の朝はストレッチをしながら、高橋らの練習を熱心に観察。佐藤信夫コーチも「自分のことで精一杯になってしまうところがあったが、何でも吸収しようとしてるのはいい傾向」と精神面の成長に目を細める。

 GPファイナル進出の懸かる9日のフリー。ただ、求めるのは結果より内容だ。トリプルアクセルの調子も、着実に上昇中。「自信を持って臨みたい」。集大成のソチ五輪へ。向かう足取りは、確かで、力強い。

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