真央V 自己最高207・59点
「フィギュアスケートGPシリーズ・第4戦、NHK杯2日目」(9日、代々木第一体育館)
女子フリーで、SP首位の浅田真央(23)=中京大=が1位となり、自己ベストで今季世界最高の合計207・59点で2年連続4度目の優勝を果たした。浅田はGP2連勝で、上位6人によるファイナル(12月、福岡)進出を決めた。日本最多のGP13勝目は、ミシェル・クワン(米国)に並ぶ歴代2位タイ。鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=は3位でファイナル進出の可能性を残し、宮原知子(15)=関大高=は5位だった。
少しだけ悔しさをかみしめた後、浅田に笑みが浮かんだ。「アクセルが(両足)着いちゃったな、っていう感じで。でも、演技は良かった」。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はSPに続き、両足着氷。連続3回転ジャンプも、後半が2回転となった。完ぺきではない演技でも、合計点は銀メダルだったバンクーバー五輪の自己ベストを上回る207・59点をたたき出した。
「1つ2つ階段を上がれた。バンクーバーの時より調子はいいし、(ソチが)すごく楽しみです」
末恐ろしい得点だ。ギネス記録にもなっている、SP、フリーで計3回のトリプルアクセル成功をやってのけたバンクーバーのときを、トリプルアクセルの成功がない中で塗り替えた。前回の五輪後、佐藤信夫コーチに師事し、ジャンプと、スケーティング技術を見直してきた。
現役ラストシーズンと決めた今季。3年間の成果が実を結びつつある。アクセル以外のジャンプの精度も格段に増し、スピンやステップ、そして表現力でも高得点を出せるようになった。
とはいえ、まだまだどん欲だ。今後に向けて、フリーのレベルアップに取り組む。中京大にタチアナ・タラソワ氏の右腕、ザンナ・アシスタントコーチを呼び、修正に取り組むという。そして、バンクーバー五輪と同じSP、フリーで計3度のトリプルアクセルを入れることも示唆した。「フリーで2回入れられるようにしたい。練習では簡単に跳べるようになっている。自信は80パーセントぐらいある」と言い切った。
実現すれば、“真央史上最強プログラム”が完成する。キム・ヨナ(韓国)の持つ228・56点を超える合計点も可能だ。右肩上がりのベクトルは間違いなく、集大成の舞台、ソチ五輪の表彰台の頂へと向かっている。