真央フリーでトリプルアクセル2回跳ぶ

 「フィギュアスケート・GPファイナル」(5日開幕、マリンメッセ福岡)

 4日は公式練習を行い、大会2連覇で最多タイとなる4度目の優勝を狙う女子の浅田真央(23)=中京大=が、フリーに2回のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を入れる構成を披露。銀メダルを獲得した10年バンクーバー五輪で決めた、SPでの1回を含めた計3度のトリプルアクセルに挑むことを示唆した。6人中、ロシア勢が4人を占める中、ギネスブックにも登録された“必殺”構成で、ソチ五輪への道を切り開く。

 真央が“ギネス構成”を解禁する。公式練習では、じっくりと冒頭のトリプルアクセルを練習した後、2本目のトリプルアクセルも敢行。「フリーで2回入れる構成にしてきた。当日の練習次第だが、2回入れられればと思う」と言い切った。

 バンクーバー五輪シーズン以来の解禁だ。同五輪後は佐藤コーチとジャンプを一から見直した。長いスランプもあったが、ここにきて成功率も急上昇。ソチ五輪の前哨戦ともいえる大一番で封印を解く決断を下した。

 11月のNHK杯後、タチアナ・タラソワコーチの右腕、ザンナ・アシスタントコーチとともに、約2週間をかけてフリーの手直しをした。2度のトリプルアクセルを入れると、長い助走時間が必要な分、プログラム全体の修正が必要になる。

 関係者は「2~3秒のところで、いろいろ手直しが必要だった」と明かした。ジャンプの基礎点はNHK杯までのものより落ちるが、将来的には連続3回転ジャンプの組み込み、さらに高難度なものに仕上げる予定だ。

 今季限りの現役引退を表明している真央にとって、最後のGPファイナル。6度目の出場にして、出場6人中、最年長の23歳になった。6人のうち、4人がソチ五輪が開催されるロシアの10代の若手。「層が厚くなっているなと感じる。一緒に滑ることで刺激をもらえる」と口元を引き締めた。

 今大会で日本人最上位のメダリストとなれば、ソチ五輪へ大きく前進。渾身(こんしん)の構成で、“真央包囲網”を突破する。

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