キム・ヨナ復帰戦V 200点大台乗せる
「フィギュアスケート、国際大会ゴールデンスピン」(7日、ザグレブ)
女子は今季初戦のキム・ヨナ(23)=韓国=が優勝し、安藤美姫(25)=新横浜プリンスク=が2位に入った。キム・ヨナは冒頭の3回転ルッツで転倒したが、持ち前の高い技術と表現力で前日のSPに続いてフリーも1位。復帰5戦目の安藤は五輪代表最終選考会の全日本選手権(21~23日・さいたまスーパーアリーナ)に向けた最後の実戦でSP、フリーともに2位だった。
冒頭の3回転ルッツで転倒するミスにも慌てなかった。キム・ヨナは「最後まで集中する」と冷静に立て直し、演技後半には2連続、さらに3連続ジャンプに成功。浅田真央(中京大)が11月のNHK杯で出した今季世界最高の合計207・59点には届かなかったが、復帰初戦で200点の大台に乗せ「結果には満足している」とほほ笑んだ。
タンゴの名曲「アディオス・ノニーノ」の「アディオス」はスペイン語で別れを意味する。黒い衣装を身にまとい、現役最後と位置づけるソチ五輪へ「特別な思いを込めた」今季初披露のフリーで魅了した。負傷によるブランクをものともせず、抜群の美しい滑りで演技点ではスケート技術と音楽の表現の2項目で高得点の9点台に乗せた。
GPファイナルで2連覇した浅田との比較を問われ「互いに違う大会でジャッジも違う。重要なのは同じ舞台で戦うこと」と強気な一面をのぞかせた。SPより演技時間の長いフリーでスタミナの不安を一蹴し、2カ月後の対決を見据え「金メダルが一番の目標ではない。試合を楽しんで美しく競技人生を締めくくりたい」と余裕を漂わせた。