真央78・66点でヨナ超え!SP世界最高
「フィギュアスケート世界選手権・女子SP」(27日、さいたまSA)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(23)=中京大=は完璧な演技で首位発進を決めた。78・66点は、2010年バンクーバー五輪で宿敵のキム・ヨナ(韓国)が記録した78・50点を超える世界歴代最高となった。ソチ五輪銅メダリストのカロリーナ・コストナー(27)=イタリア=が77・24点で2位、ユリア・リプニツカヤ(15)=ロシア=が3位。鈴木明子(28)=邦和スポーツランド=は自己ベストを更新する71・02点で4位に続き、村上佳菜子(19)=中京大=が10位につけた。
ただただスケートを楽しんだ少女のように、真央は笑った。得点が表示されると、真央は両手でサムアップした後、満面の笑みでピースサイン。冒頭のトリプルアクセルからすべての要素を完遂。浅田真央史上最高のSPで、4年間破られなかったバンクーバー五輪でのキム・ヨナの得点をついに超えた。
「ソチで悔しかったんだと思って滑った。得点も期待してました。いつもは気にしないけど、世界最高はうれしい。自己採点は100点!」
競技人生のすべてを懸けて臨んだソチ五輪は、SPの出遅れが響き6位。メダルを獲れなかった悔しさは今もある。ただ「ソチでこの演技ができていたら…という気持ちはない。ソチがあったからこそできた演技。人生は何があるか分からないから」。それも運命として受け入れている。
29日のフリーで“集大成”と位置づけた今季は終わる。進退については大会終了後から考えていくが、現役生活の“ラストダンス”となる可能性もある。
「目標はSPとフリーともパーフェクトに滑ること。やりきったと思って終わりたい」
ソチ五輪で世界中に感動を与えたフリー「ピアノ協奏曲第2番」。再び究極の滑りができれば、フリー、総得点での世界最高得点も十分に可能だ。荘厳な調べとともに、浅田真央が伝説になる。