鈴木現役ラストダンス 感謝込め舞った
「フィギュアスケート世界選手権・女子FS」(29日、さいたまSA)
今回が現役生活最後の大会となった鈴木明子(29)=邦和スポーツランド=は6位に終わった。
現役最後の滑走。「今日の演技は自分の生き方そのもの。一言で言うと『ライフ』ですかね」。完璧ではなかった。ただ、それも含めて鈴木明子らしかったという。
冒頭の3回転‐2回転‐2回転が、2回転‐2回転‐2回転となった。ただ、滑る前に心に決めていた。「どんなことがあっても、しっかりと最後まで滑ろうと」。感謝の気持ちを込めて舞い、最後は銀盤に一礼した。
気づけば29歳になっていた。長く現役を続けられた理由の一つに、大学時代に苦しんだ摂食障害を挙げる。「滑れない時期があったからこそ、卒業後も続けようと思った。あの病気も悪いだけではなかった」
今後はプロスケーターとして滑る一方で、振り付けの勉強もしたいという。「幸せなスケート人生でした」。大きな瞳に涙はない。あったのは輝く笑顔だった。