20歳バースデー佳菜子 SP3位発進
「フィギュアGPシリーズ第3戦・中国杯」(7日、上海)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、日本の村上佳菜子(20)=中京大=は60・44点で3位発進となった。8日の女子フリーで逆転優勝を狙う。世界選手権銀メダリストのユリア・リプニツカヤ(ロシア)が69・56点で首位に立った。初戦のスケートアメリカで2位だったエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)が、67・99点で2位に続いた。
まずまずのバースデー演技となった。この日、20歳の誕生日を迎えた村上は、SPを滑り終えると、ホッとしたような笑顔を浮かべた。
ともにソチ五輪に出場し、3姉妹のように仲の良かった鈴木明子が現役を引退し、浅田真央も今季休養を表明した。エースの期待がかかる中、演技をまとめ、SP3位発進。「あまり納得していない。練習でもっとできていたので少し悔しいが、まだ点を伸ばせると確信できたことは良かった。フリーはノーミスでいきたい」と、振り返った。
今季のプログラムはSP、フリーとも「オペラ座の怪人」。ゴールドの衣装で、ヒロインのクリスティーヌが初めて観客の前で歌を歌うシーンを表現したSPでは、冒頭のトーループの連続3回転ジャンプをしっかり決めると、しっとりとした曲調に乗り、柔らかな滑りを披露。後半の3回転フリップが回転不足となったが、それ以外は着実にまとめていった。表現力を示す5項目の構成点では、ほとんどで7点台中盤をマークし、初戦から上々の評価を獲得した。
1位のリプニツカヤには約9点の差をつけられたが、フリーで十分に逆転は可能。フリーでは、一転して男役の主人公ファントムとして、クリスティーヌへの愛を表現する。これまではどこか控えめな性格だったが、今季は「GPファイナルと世界選手権でメダルを獲りたい」と、エースの自覚をにじませる20歳。偉大な先輩たちがいない今季、“エース”の肩書と重圧を担いながら、村上が試金石のフリーに挑む。