羽生超え!16歳・宇野が歴代最高V

 「フィギュアスケート・ジュニアGPファイナル」(12日、バルセロナ)

 最終日はフリーが行われ、男子は全日本ジュニア選手権を制した16歳の宇野昌磨(愛知・中京大中京高)がショートプログラム(SP)3位から逆転し、163・06点だったフリー、合計ともにジュニアの世界歴代最高得点を更新して238・27点で優勝した。日本勢では2009年の羽生結弦(ANA)以来の優勝となった。SP首位の14歳、山本草太(邦和スポーツランド)が213・12点で2位だった。

 3季後の平昌冬季五輪に向けて次世代のエース候補が台頭した。16歳の宇野が163・06点のフリー、合計でともにジュニアの世界歴代最高得点を更新し、頂点に立った。まだまだ、あどけなさの残る顔がほころんだ。

 「自分でも感動した」という宇野の圧巻の4分間。鮮やかに決めた4回転トーループとトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、ともに今季に入って身につけた大技。世界で戦うために欠かせない武器を習得し、一気にジュニアの頂点に駆け上がった。

 SP3位から逆転を狙ったフリーを前に、この2週間を思い出した。「今までスケートをやってきて一番練習した」。積み重ねた自信で「強気にいけた」と高難度のジャンプを次々と決めた。

 名古屋市出身。伊藤みどりさんや浅田真央(中京大)を育てた山田満知子コーチの秘蔵っ子だ。中学卒業時に141センチしかなかった身長が158センチまで伸び、演技に力強さが加わってきた。

 ジュニアでは珍しく踊って跳べる。「憧れは高橋大輔さん」。昨年声変わりしたばかりの高校2年生は「シニアと戦っていける選手になりたい」と決意を新たにした。

 男子では09年大会覇者の羽生以来、3人目の日本人チャンピオンだ。今季4回転トーループ、トリプルアクセルと二つの大技を武器に加えた成長株。ジュニア離れした表現力も備える全日本ジュニア王者は「もっと磨いてシニアと戦える選手になりたい」と頼もしかった。

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