宮原知子が圧巻V!真央のベストに肉薄

 「フィギュアスケート・四大陸選手権」(21日、台北)

 女子フリーが行われ、SP首位の宮原知子(17)=関大高=がフリー1位の142・43点をマークし、総得点で世界歴代6位となる214・91点で大会初優勝を飾った。SP、フリー、合計すべてで自己ベストを更新、3月の世界選手権(米ボストン)に向けて弾みをつけた。SP4位の本郷理華(19)=邦和スポーツランド=は181・78点で3位、同2位の村上佳菜子(21)=中京大=は得点を伸ばせず7位に終わった。

 正確無比な宮原の滑りには寸分の狂いもなかった。演技序盤で3回転ルッツを起点とする3連続ジャンプを平然と決めると、その後の6度のジャンプも危なげなく着氷し、頂点へ突き進んだ。

 「3回目の四大陸選手権でやっと優勝できてうれしい。世界選手権につながる結果が出せた」と喜んだ。SPで3度、フリーで7度のジャンプ・コンビネーションジャンプをすべて成功。誰も太刀打ちできない「サトコ劇場」だった。

 提出を控える高校の卒業論文のテーマは「オリンピックに魔物はいるか」。2年後の2018年平昌五輪出場を念頭に置き、06年トリノ五輪金メダルの荒川静香ら5人の五輪経験者にインタビューしたり、未体験の五輪の舞台がどんなものなのかを仮説したりして、ほぼ仕上げている。

 今大会前「自分の気持ちをしっかり持ち、どれだけ自信を持てるかによって、魔物は出てくるか出てこないか」と語っていた宮原。そんな17歳のエースは魔物ならぬ「勝利の女神」を描き出し、念願のタイトルを3度目の挑戦で勝ち取った。

 4月からは、10年バンクーバー五輪男子銅メダルの高橋大輔らが巣立った関大へ進学する。リスト作曲のフリー曲「ため息」のテーマである「初恋」が「まだ分からない」というだけに、春からキャンパス内で出会う男子学生に初めての恋心が芽生えれば、演技にも好影響が出てくるかもしれない。

 演技直前に“でこタッチ”で送り出すのが恒例の浜田美栄コーチは「演技の評価がだいぶ上がってきた。(ライバルの)ロシア勢もミスをしないと思うので、世界選手権に向けてもう一段階、滑りを大きくしていきたい」と、さらなる成長を期待した。

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