羽生、左足甲じん帯損傷 テンとは和解

 日本スケート連盟は4日、フィギュアスケートの世界選手権(米ボストン)で2大会連続の銀メダルだった男子の羽生結弦(21)=ANA=が、左足甲の靱帯(じんたい)損傷のため練習拠点を置くカナダのトロントで治療を受けると発表した。羽生はこの日、世界選手権のエキシビションで演技を披露。また、大会の公式練習中にデニス・テン(カザフスタン)に進路を妨げられた件で、テン側と和解したことを明らかにした。

 羽生はシーズン序盤から左足に痛みを抱え、年明けに状態が悪化した。踏み切りの際に左足で氷を突く4回転トーループは負担が大きいため、2大会ぶりの優勝を目指した世界選手権では一部のジャンプをサルコーに変えざるを得なかった。

 ショートプログラム(SP)で大差をつけて首位に立ちながら、フリーでフェルナンデス(スペイン)に逆転を許した。2位に終わった今季最終戦。帰国はせず、トロントで治療を受けることになった。

 また、羽生は公式練習中にテンに進路を妨げられた件で、相手側と和解したことを明らかにした。「彼にも僕にも苦しさがあった。この試合で和解したいと思って握手しました」と話した。

 SPを控えた3月30日、羽生の曲をかけた練習中にテンがリンク中央でスピンを続け、羽生の滑りを妨害する形になった。羽生は「ビデオでも見たけど、あれはたぶん故意だと思う」と話していた。

 世界歴代最高得点を2度更新した今季については「どんどん(演技の)難易度を高くしていけた。達成感を得られた大切なシーズン」と胸を張った。来季はSP、フリーともにプログラムを新しくする予定。「より新しい扉を開けるような存在になれたらいい」と、最高得点のさらなる更新に意欲を見せた。

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